地価を決定付ける人口動態
アメリカの経済学者、ハリー・デント・S・ジュニアは地価のもっとも強力な要因として人口動態を挙げています。彼の主張によれば、その国の経済は45歳から48歳の世代の人口の増減に大きな影響を受けていて、地価はそれを如実に表している、というのです(『バブル再来』ダイヤモンド社)。その国の経済の最大の担い手が45~48歳という中堅世代であり、その世代人口が増えれば景気は良くなり、減れば景気は悪くなるという論理です。確かに、日本のバブル崩壊は、その説を正当化しています。団塊の世代と呼ばれる戦後ベビーブーム世代の人たちが45~49歳を過ぎていくときに地価は高騰し、そして大きく崩壊しました。
人口動態の大きな変化という意味で、この国で次に注目される人口のピークは、「焼け跡世代」の親たちの子どもの世代(=団塊ジュニア)です。
団塊ジュニアの時代
今後の日本の地価に大きな影響を与えるのは団塊ジュニアの世代です。彼らが45~48歳を迎える2016年から2019年が日本経済の転機であると考えられます。その意味で、2016年ころに地価の最後のピークが来るのではないでしょうか?
最後のピーク・・・そう、それ以降に本格的な長期的下落相場が訪れるという予感です。
それでは地価は今後も2016年まで下がり続けるのでしょうか?それとも・・・
夜明け前が一番暗い
公示地価18年連続の下落(地方圏のみ)という暗い話題は、不動産投資を消極的にさせますが、それはチャンスでもあります。下がりすぎた日本の不動産市場にまたもや、青い目の投資家が注目しているという話を聞くようになりました。また外圧によって日本の地価が反発することもありえます。若い人たちの持ち家意欲も依然として旺盛です。今後は2016年の地価ピークに向けて再び地価上昇が始まると考えれば、新たな資産運用スキームが誕生します。しかし、公示地価で地価上昇を確認してからでは出動が遅すぎます。公示されている地価は発表された時点で半年から1年遅れているからです。
一番暗い夜明け前に、コツコツと安い物件を買っていける人が資産運用の達人ですね。