バラエティに富んだTBS
TBSは刑事ものに事件もの、病院ものに時代劇? と、バラエティに富んだ構成です。日曜劇場枠は香取慎吾、山下智久W主演の『MONSTERS』。
セコくて姑息で無礼だが誰に対しても紳士的な言葉遣いの変人、しかし捜査能力は抜群の平塚平八(香取)と、正義感にあふれ真っ直ぐな性格で超セレブの御曹司の西園寺公輔(山下)がコンビを組み、難事件を解決していきます。脚本は『TRICK』など、凝った推理ものを得意とする蒔田光治、キャラクターが上手くはまればおもしろくなりそうです。
月曜20時枠は宮部みゆきミステリー『パーフェクト・ブルー』。
原作は、宮部みゆきのドラマタイトルと同じデビュー作『パーフェクト・ブルー』とその続編『マサの事件簿』。探偵事務所の調査員・蓮見加代子(瀧本美織)と人の言葉を理解する元警察犬のマサのコンビが事件を解決、というと最近似たような設定のドラマがありましたが、今度は犬が人間体になるわけではなく、心の声(船越英一郎)が視聴者に聞こえるのみ。
木曜21時枠は『レジデント~5人の研修医』。
大学付属の救急救命センターの5人の研修医(仲里依紗、林遣都、増田貴久、大政絢、石橋杏奈)が、厳しい医療現場の洗礼を受けながら成長する姿を描きます。指導医に小澤征悦、古田新太、須藤理彩ら。同じ枠の前作、警察学校が舞台の『ビギナーズ!』から連なる路線であり、また裏のテレビ朝日系『ドクターX』と医療もの対決となります。
金曜ドラマ枠は『大奥~誕生[有功・家光編]』。
よしながふみ原作で映画化された男女逆転『大奥』の続編で、今回は三代将軍・家光の時代が舞台。このころから疫病で男子の人口が激減し、男女逆転の謎が明らかになります。家光に多部未華子、僧侶だったが無理やり還俗させられた有功(ありちか)に堺雅人。連ドラ終了後、さらに続編の映画『大奥~永遠[右衛門佐・綱吉篇]』が堺雅人、菅野美穂主演で公開されます。
NHKは独自路線
NHKはホームドラマ、刑事ドラマにラブコメ。民放と似ているようでどこか違う独自路線です。火曜22時のドラマ10枠は沢口靖子主演の『シングルマザーズ』。
原作は二兎社・永井愛の戯曲。夫のもとを逃れて息子を連れて家を出た主人公、途方に暮れる中、協力してくれたのは先輩シングルマザーたち。社会のハードルを乗り越えながら、母も子も成長して行く。やがて「児童扶養手当」の削減という大きなハードルが立ち塞がり、シングルマザーたちは国会の前に……。
ちょっと遅れて11月3日スタートの土曜ドラマスペシャルは『実験刑事トトリ』。
大学で動物生態学を研究していた都鳥(三上博史)は、ある思いから警視庁の中途採用試験を受験し刑事に。正義感の強い若手刑事(高橋光臣)とコンビを組み、仮説を組み立て、実験のような緻密な捜査で事件を解決します。
これも遅れて11月6日スタートの火曜22時55分からのよる☆ドラ枠はNHK名古屋制作の『恋するハエ女』。
小学校教師の小森絵美(ミムラ)は小粒な性格で、言いたいことも言えずに仕事、恋愛、人生すべて足踏み中。そんな彼女のネットでの書き込みに謎のおじさん(筧利夫)が「おいハエ女、人生を変えたければ俺のいうことを聞け!」と突然乱入し、毒舌トーク。アラサー女の人生に波乱と変化が起きます。
2012秋ドラマのまとめ
さて最後に予想。実績でいえば『PRICELESS』と『相棒』。しかし木村拓哉ももはや絶対ではなく、『相棒』も前シリーズはそれまでほどではなくピークを越えた感があります。出だしはリードするでしょうが、維持できるかどうかは内容次第。内容的にじわじわ上がってきそうなのは、火曜のフジ系の2つ『遅咲きのヒマワリ』と『ゴーイングマイホーム』。当たるとデカそうなのは広い年齢層が狙える『悪夢ちゃん』と、予想しておきましょう。
あと深夜ドラマで注目なのは、前作も好評だったテレビ東京水曜深夜、松重豊主演の『孤独のグルメSeason2』とTBS火曜深夜の倉科カナ主演『花のズボラ飯』の、コミック原作でちょっと変わったグルメもの二作。秋の夜長にお腹の好きそうなドラマになりそうです。