秋ドラマスタートガイド：これまでの実績か世代交代か(2ページ目)

日本テレビ系はエッジがたちつつ幅広さも

日本テレビ系は『家政婦のミタ』のように、エッジが立ったドラマをつくりながら広い層への浸透を狙います。

土曜21時枠は、恩田陸の小説『夢違』が原案の『悪夢ちゃん』。主演は日本テレビはスペシャル『この世界の片隅に』はありましたが、連ドラは初めての北川景子。
腹黒い小学校教師・武戸井彩未（北川）が、予知夢を見る能力を持つ転校生・古藤結衣子（木村真那月）と出会ったことから、悪夢のような未来を阻むために奮闘することに。予知夢を表現するためにかなり凝ったVFXを駆使、夢研究者役にGACKTも出演と、小学校が舞台ながら大人も楽しめそうなドラマになりそうです。

 

水曜22時枠は、武井咲主演の『東京全力少女』。
まっすぐでポジティブな性格だが常に空回りするヒロイン・佐伯麗（武井）が、上京して、自分と母を捨てた父（渡部篤郎）と再会。弁護士だが金にも女にもだらしない父をどうにかしようと奮闘する姿を描くコメディ。この枠が得意な、ちょっとヘンなヒロイン路線ですが、CMでおなじみ武井咲で広い層にアピールします

木曜ミステリーシアター枠は赤川次郎原作の『毒（ポイズン）』。
24時間以内に証拠も残さず人が死ぬ、毒薬をめぐる一話完結ミステリー。ピース・綾部祐二が毒薬の開発者役で連ドラ初主演です。

手堅いテレビ朝日系

テレビ朝日系は得意の刑事、事件ものに定番病院ものという手堅い構成です。

水曜21時『相棒season11』は、新相棒に成宮寛貴が登場。
父が警察庁の次長（石坂浩二）の甲斐亨（成宮）は、念願の刑事になった早々、香港の日本総領事館の事件に巻き込まれる。そこで右京（水谷豊）に出会い……甲斐がどういう経緯で相棒になるのか、注目です。

木曜20時の京都ミステリーは、新作『捜査地図の女』を真矢みきが主演。京都府警捜査一課の橘珠子（真矢）は、地図づくりが得意。捜査地図を元に真実に迫っていきます。
地図づくりが得意というと、『外交官 黒田康作』で柴咲コウが演じた女性刑事がいました。多分、そこが発想の元でしょう。

金曜ナイトドラマ枠は高橋克典主演の『匿名探偵』。
『特命係長』に続くトクメイシリーズ（？）で、主人公は名前不詳、バーボンとジャズを愛するハードボイルドだが女には弱い。そんな彼に弁護士の冴島響子（片瀬那奈）は美人の依頼者を紹介してきます。田山涼成、三浦理恵子は『特命係長・只野仁』に引き続き出演、スタッフもだいたい同じ。こちらもシリーズ化なるか？

木曜21時枠は米倉涼子主演の『ドクターX～外科医・大門未知子～』。
勤務環境の過酷さから多くの医師が辞めた大学病院に、怪しい医師紹介所から外科医・大門未知子（米倉）がやってくる。腕は優秀だが、歯に衣着せぬ発言で大学病院を揺るがしていく。脚本の中園ミホはNHK『はつ恋』に続き、病院が舞台で取材は十分。紹介所所長に岸部一徳、外科部長に伊東四朗、第二外科部長に段田安則、事務長に室井滋など、曲者の多いキャスティングにも注目です。

 

＞＞続いてのページでは、TBS系とNHKの2012年秋ドラマを紹介します。