第5位 古い入れ歯と同じものはできない
入れ歯の形はバランスが決め手。いいとこ取りでは作れない。
すると歯科医院でよく話が出るのが、古い入れ歯と形が少し違うけど前の形にならないか? ということ。しかし入れ歯に限らず口の中に作るものは、全てハンドメイドなため、同じ人が同じように2つ作っても微妙に形が違うというのが普通なのです。現在使用中の入れ歯をコピーすることは一般的には非常に困難です。
入れ歯を新しくするということは、よくも悪くも全てが変わるといった覚悟が必要になります。確かにそれまで使用していた愛着のある入れ歯は、全てにおいて正しいように感じますが、たとえ気に入っている形があったとしても、全体のバランスのためには、多少違う形になることもあります。全く新しい入れ歯を徐々に受け入れていくという考えが大切です。
第4位 新しい入れ歯でも調整が必要
新しい入れ歯に作り替えれば、調整せずにピッタリするイメージがありますが、そんなに簡単ではありません。確かに新しく入れ歯の型を取るため、当然古い入れ歯より全てにおいて精密のはずです。しかし実際には、あまりにピッタリしすぎて僅かな入れ歯の形の違いで、擦れて痛くなりやすいのです。さらに入れ歯が新しくなると、歯の並びも若干変化します。このため噛み合わせによって生まれる力の分散方向が変わります。するとそれまで負担がかからなかった部分の歯ぐきに力がかかって痛くなることもあります。入れ歯は「作ったあとの調整から本当のスタート」と言われるぐらい調整が大切なのです。
第3位 作り替えの前にリフォームも効果的
ケースによっては合わなくなった入れ歯を作り替えずに、今ある入れ歯をピッタリさせることができる場合があります。よく行なわれるのは入れ歯の内面に使用する安定剤の代わりに樹脂素材の裏打ちを流し込み固めることです。こうすればそれまで使用していた入れ歯を引き続き使用できるため、違和感を最小限にすることができます。ただし条件として歯の部分が極端に摩耗していないことや、現在使用している入れ歯の噛み合わせが安定しているなど、単純に入れ歯の内面以外はそれほど問題がないことが前提となります。密着感はかなりのもので、市販の入れ歯安定剤を使わなくてもよくなることもあります。