新しい家ほどLDKの普及率が高い
住宅を台所のタイプ別に見たデータによると、一番多いのは「独立の台所」で住宅全体の40.6%に及びます。次いで「食事室兼用」(いわゆるDK)の31.9%、3位が「食事室・居間兼用」のLDKが21.3%。 意外とLDKの普及率が低いような気がします。ただし、このデータを住宅の建築時期別にみると、おもしろいことがわかります。1950(昭和25)年以前では、「独立の台所」48.2%と「食事室兼 用」(DK)40.5%がほとんどを占め、「食事室・居間兼用」(LDK)はわずか9.6%でした。しかし、平成18年(2006年)~20年(2008 年)に建設された住宅では、「独立の台所」(41.2%)や「食事室兼用」(DK)(15.5%)は減り、その分、「食事室・居間兼用」(LDK)が 39.1%と大幅に増えています。
●1950(昭和25)年以前に建設された住宅
「独立の台所」48.2%
「食事室兼用」(DK)40.5%
「食事室・居間兼用」(LDK)9.6%
●2006(平成18)年~2008(平成20)年に建設された住宅
「独立の台所」41.2%
「食事室兼用」(DK)15.5%
「食事室・居間兼用」(LDK)39.1%
住宅全体の間取りについての調査データはないのですが、前ページの1住宅当たり居住室数は4.67室とあわせて考えると、5Kや4LDKといった間取りの家が多いことが予想できますね。
約6割の家が新耐震基準を満たす?
建築時期について、見てみましょう。以下に示したように、1981(昭和56)年以降に建てられた住宅が全体の6割に達しています。●住宅の建築時期
1950(昭和25)年以前に建築された住宅 3.7%
1951(昭和26)年~1960(昭和35)年 2.3%
1961(昭和36)年~1970(昭和45)年 7.8%
1971(昭和46)年~1980(昭和55)年 18.1%
1981(昭和56)年~1990(平成2)年 20.1%
1991(平成3)年~2000(平成12)年 23.4%
2001(平成13)年~2008(平成20)年9月 17.4%
1981年は耐震基準の大きな見直しがあった年です。厳密には1981年に竣工した家が81年基準を満たしているとはいえませんが、それでも、既存住宅の大半が一定以上の耐震性を備えているとすれば、喜ばしい事実です。一方で、1950(昭和25)年以前~1980(昭和55)年の住宅は31.9%もあります。これらの住宅は、耐震性をはじめ、耐久性など、基本性能に不安が残ります。今後、高い基本性能をもった住宅が増えることを期待しましょう。
駅まで2キロ以上が3割以上
地域によっては車通勤の人が多いということがデータから読み取れます
●最寄り駅までの距離
1位 2000m以上 34.4%
2位 1000~2000m未満 24.1%
3位 500~1000m未満 21.6%
調査結果をまとめると、「普通の家」は延床面積も敷地面積も私の予想より広く、建築時期についても、平成になってからの家が約4割と、かなり多くなってきたという印象です。また、最寄り駅からの距離は「2000m以上」の住宅が約3割を超えるなど、意外な部分もありました。大都市圏の住宅と、全国平均の住宅には、平均像には、少し差があるようです。実際、調査には都道府県別のデータも掲載されていて、大都市圏とそれ以外の地域の実情の違いが浮き彫りにされているようです。ともあれ、平均値を知ることは大切なこと。「普通の家」を知って、自分の「理想の家」を考えることが肝心だと思います。
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日本で建築されている「普通の家」とは?(前編)