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リフォーム資金の贈与税非課税措置 H24年改正版

築年数の経過した住まいのリフォームや、中古住宅を取得してリフォームするような場合に、その資金計画の一部あるいは全部を親などからの贈与でまかなうことがあります。平成24年の税制改正では、親などからのリフォーム資金贈与が非課税になる制度が組み込まれています。今回はその概要についてご紹介します。

大野 光政

執筆者:大野 光政

リフォームにかかるお金ガイド

省エネ・耐震住宅

大規模なリフォームや中古住宅の取得など、先立つものが不安な時、この「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」は頼もしい味方です。省エネもしくは耐震住宅ならば非課税枠の上乗せもあります。

住まいのフルリフォームや、新築や中古住宅を狙っている方にとって、資金計画はものすごく重要なことです。実際にリフォームやマイホームを取得した人に聞いてみると、貯金やローンの他に、親に資金を出してもらったという声も案外多いということに気が付きます。

従来、このように親などからの資金提供があった場合、贈与税の対象となり課税されていましたが、平成22年からは「住宅取得等資金」について贈与税の非課税措置が導入されました。そして、平成24年の税制改正において、その制度が延長され、少し内容が変わりました。今回は「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」の新しい制度についてご紹介したいと思います。

平成24年は1,500万円あるいは1,000万円が非課税枠に

この「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」という制度は、父母や祖父母など(これを「直系尊属」と言います)から、自己の居住の用に供する住宅(つまり自分が住むための家)を新築もしくは取得する場合や、リフォームするためのお金(以下「住宅取得等資金」という)を贈与してもらった場合に、一定の金額までの贈与については贈与税が非課税になるという制度です。

では早速、非課税枠について見てみましょう。
非課税枠

住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置(平成24年分・平成25年分・平成26年分)

今回の制度では、省エネ性又は耐震性を満たす住宅について非課税枠が大きくなっているのが特徴です。東日本大震災以降、耐震性と我が国の電力事情を反映し、税制においても省エネと耐震を支援してくれる意味合いが強くなっています。

※東日本大震災の被災者は、平成24~26年とも非課税枠が、省エネ又は耐震住宅においては1,500万円、それ以外の住宅では1,000万円となります。

暦年課税であれば平成24年で最大1,610万円が非課税に

今回の非課税制度に加え、一般的な「暦年課税」による110万円の基礎控除が適用できますので、平成24年で省エネ又は耐震住宅の取得のための贈与であれば最大1,610万円、その他住宅であれば1,110万円が非課税枠となります。

また「暦年課税」ではなく「相続時精算課税」を選択すれば、特別控除枠として2,500万円が適用できるので、平成24年で省エネ又は耐震住宅の取得のための贈与であれば最大4,000万円、その他住宅であれば3,500万円が非課税枠となります。

いずれにせよ、住宅取得や大規模なリフォームを検討している人にとっては大きなチャンスとなりますので、今回の制度をしっかりと理解しておくことが重要です。

次のページでは、今回の制度を利用するための要件などをご紹介します
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