リフォーム費用/リフォームコストダウンのコツ

同時リフォームで得する人、損する人

リフォームする際、「ついでに」の感覚で、あれもこれも追加してしまうと、それが得だったのか、損だったのか、よくわからなくなってしまうことがあります。今回は同時実施した方がよいリフォーム、同時にやる意味が少ないリフォームについてご紹介します。

大野 光政

執筆者:大野 光政

リフォームにかかるお金ガイド

同時リフォーム

何が何でもまとめてリフォームすることがお得になるとは限りません。工事の特性を考えて計画しましょう。

リフォームを検討している時は何かと気持ちが大きくなって、ついつい予算オーバーな計画を立ててしまうことが多いものです。しかも、リフォーム業者に「別々にやるよりも一度にやった方がお得ですよ」とか「ついでにここもやった方が安上がり」などと言われ、心がグラリと揺らいでしまうという話をよく耳にします。

しかし、その「一度に」とか「ついでに」という工事が、本当に安上がりになるのでしょうか。実はある一定の条件がそろった時に割安感が出てくるのです。今回は同時にお得にリフォームするポイントについてご紹介します。

関連箇所のリフォームは同時施工がお得

リフォームはその工事の性質上、今ある床や壁をはがしたり、足場を組んだりする場合があります。こういった作業について、複数箇所の工事の関連性があれば、一般的にリフォーム費用は節約できることになります。

例えば、キッチンのリフォームとキッチン床の張替えを考えてみましょう。キッチンを壁付きタイプから対面型に変更する際には、給水管・排水管の位置を変更しなくてはならず、床をはがす必要があります。また、床を張り替えるためには、一般的に現在の床をはがすことが必要になります。

つまりこのような重複する部分があるのであれば、別々に工事を依頼するよりも、同時にリフォームしてしまった方が、無駄がなく割安になるのです。ではもっと詳しく、同時リフォームがお得になるケースについて見てみましょう。

ケース1:隣接している水回り空間は同時でお得!

隣接水回りリフォーム

給排水管を取り替えるような場合、隣接している水回り空間を同時リフォームするのは、経費面から考えても効率的です。

Aさんは浴室(在来浴室からユニットバスへの入れ替え)と洗面化粧室(化粧台の入れ替えと収納造作工事)のリフォームを検討していました。計画の段階では、浴室だけ先にリフォームして、その後ゆっくりと洗面化粧室を考える予定でした。

しかし、浴室をユニットバスにするにあたり、浴室入口が3枚引き戸になるため、隣接している洗面化粧室のドア枠と壁を直す必要がありました。

リフォーム業者に確認したところ、浴室(約115万円)と洗面化粧室(29万円)を別途に工事するよりも、重複する工事内容と工事管理経費がカットできるので、トータルで約5万円を節約できるということでした。こうしてAさんは浴室と洗面化粧室を同時にリフォームしてもらうことにしたのでした。

【Aさんのリフォーム費用】
浴室115万+洗面化粧室24万=139万円(約5万円の節約)

ケース2:同時リフォームで足場費用を圧縮!

足場
足場工事は建物外装の工事をする場合に必要になるものです。このような作業こそ同時リフォームの経費メリットが期待できます。
Bさんは、住まいが築20年を超えたので、そろそろ外壁の塗り替えを考えていました。しかし費用のことが気がかりで、外壁と屋根の塗装を一緒に実施すべきか悩んでいました。しかし、リフォーム業者に点検してもらった結果は、窓枠と外壁のつなぎ目部分の「防水コーキング」も劣化しており、全体的なリフォームをした方が良いと提案されました。

リフォーム業者にいろいろ話を聞いたところ、外壁・屋根・防水コーキングを別々に実施すると足場代(約13万円)が無駄になるということがわかりました。これらを一括して実施すると足場がすべて兼用できるので、足場代2回分が節約できるということで、Bさんは外壁と屋根、そして防水コーキングも同時にリフォームすることにしたのでした。

【Bさんのリフォーム費用】
外壁85万+屋根塗装27万+窓回り7万円(約26万円節約)

以上のように、同時リフォームで費用を節約することができる場合をご紹介しましたが、全く費用に差がない場合や、逆に損をしてしまう場合もあるのです。次のページでご紹介します
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