自分の歯が鏡を見てもう少し細長かったらとか、横幅がもう少し狭ければなんて思うことありませんか? 歯をかぶせて治すとき、せっかくだからと形を少し修正したい人が多いようです。今回はそんな歯をかぶせて形を修正するケースについて説明します。


かぶせる歯が1本のケース

前歯の歯並び

1本だけの場合は悪く目立っている部分に効果的。

この場合、新しくかぶせる歯のスペースを考えると、かぶせものが存在できるのは、横が両隣の歯の間、上下は歯ぐきと噛み合わせた時の下の歯の先端部分の間となります。これでおおむね外枠が決まります。外枠の範囲内で歯がきれいに見えるように丸みを持たせて作ります。

いくら見た目を修正したからといっても、噛むといった機能をさせる以上、歯の横幅や縦の長さのバランスを極端に変化させることが難しいのがわかると思います。しかしデザインの自由度が少ない中でも傾きや細かい修正などで見た目の変化をすることは可能です。


かぶせる歯が複数本のとき

例えば上の前歯を全てかぶせる場合には、犬歯から犬歯まで6本必要となります。この場合、歯の縦(上下間)のスペースは、それまでの歯と同じで、下の歯の先端の位置で制限されますが、横幅については、6本でスペースを融通し合うことが可能になります。すると1本1本の歯の横幅のバランスを整えたりして歯がきれいに見えるようにバランスを整えることが可能となるのです。

ただし歯を削る本数が増える場合には、リスクも覚悟しなくてはなりません。大切なのは、削ってかぶせることで得られるメリットと、歯を削るといったリスクを比べて、メリットがリスクを上回る場合にこのようなことが勧められるようになります。

ただしすでに多くの歯にかぶせものがあり、内部の歯が土台になっている場合や、虫歯の治療を繰り返したため、詰め物の多くなり色の変色が目立ったり、歯が欠けたり折れたりしやすくなっている場合には、新規に削る量が少ないためリスクは下がります。


歯の長さ(高さ)を変化させたいとき

これは上下の歯を同時にかぶせる場合などに、変化させることができます。つまり縦方向の長さを上下の歯で融通しあうのです。逆に言うと口の中に噛み合わせが存在する以上、歯の長さ(高さ)を変化させるためには、その歯が噛み合う相手側を削ったり、かぶせたりして調整しなければなりません。

一般的な噛み合わせでは、上下いずれかを長く伸ばせば相手側の歯を小さくする必要があります。

もし上下両方の歯を縦方向へ長くしたい時はどうするのか? それは口の中で噛み合わせている歯を全て一度にかぶせるなどして、長さを伸ばした状態で噛み合うように作るといったことになります。もちろん顎の関節に負担がないレベルにしなければなりません。


噛み合わせを無視すると破損を繰り返す

基本的に歯の形を作る際の優先順位は「1.噛み合わせ 2.見た目」となります。歯を噛み合わせた状態で、ある程度自由に顎が動き回れるようにしておかないといけません。歯ぎしりなどで歯が削れてしまっている人もいるように、もし理想的な形を持った歯と歯並びがあったとしても、その歯にあった顎の動きをするとは限りません。

顎の動きは非常に強力で、歯の形に無理があれば、かぶせものが削れたり、かけたりして、破損を繰り返すようになります。ひどくなると負担となって歯が折れてしまったり、歯周病が進行しやすくなって抜歯になってしまいます。

噛めなくてもいいからと見た目を重視して、結局は歯並び重視に作り替えることにならないように噛み合わせと歯の形は、バランスで考えることが大切です。


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