どうやって1000万円貯めたか
1000万円を貯めるためにしたことは、「支出計画を立てる」「ムダなお金を使わ安達琢郎さん(仮名)年齢/36歳 ・職業/会社員 ・住まい/さいたま県/実家 ・家族構成/両親
週5日はお金を使わない。
使った日は内容を精査する
「もともと収入が多くないうえ、ボーナスまで出なくなって……」と苦笑する安達琢郎さん(仮名)が、節約に目覚めたきっかけは、経済アナリストの森永卓郎さんの著書、『年収300万円時代を生き抜く経済学』です。「本の内容を参考にして、お金を使うのは週3日までと決め、使った内容も毎日チェックすることにしました」
ポイントは、週末に翌週の予定を確認しながら、お金を使う日を決めること。たとえば、週末に友達と食事をする予定があれば、その日に1週間分の買い物をするのです。
「月曜日から土曜日までに必要な飲み物や食べ物などをリストアップし、それをまとめて、しかもできるだけ安く買っておきます」
平日は、週末に買った飲み物や間食用のお菓子などを持って出社し、ムダな 出費をせずに済むようにしています。社内で仕事をする日は、代金が給料天引きの社員食堂を利用し、ランチ時の出費もゼロに。週2~3日ある外回りの日は、株主優待券が使えるお店でランチを食べて、支出を抑えます。
「昼食以外の食事は家で食べますし、地方都市在住で車は不可欠ですが、ガソリン代を節約するため、プライベートな外出の時は自転車を使っています。あとはティッシュを1枚ずつ使ったり……。最初は大変でも、続けているとゲーム感覚で楽しめるようになります」
今では「週5日はお金を使っていない」と安達さん。毎月の支出は、わずか4万円! 実家でご両親と同居しているとはいえ、達人ならではの金額と言えるでしょう。
利益確定と損切りを徹底し、年収に匹敵する240万円の利益!
2009年からは「お金を増やすこと」を目的に、株式投資も始めました。「ボーナスが出なくなったため、減収分を補う必要があったんです。ニュースで株主優待を知り、これで昼食代を浮かそうと考えました」
最初に購入したのは、「やよい軒」などで使える株主優待がもらえるプレナス。その後、マクドナルドや吉野屋、ゼンショーなどの優待銘柄を購入しています。
「投資をするうちに、優待銘柄は権利確定日が近づくと株価が上がることがわかりました。それに、もっと現金が欲しいと思うようにもなりました。そこで、優待銘柄はよく使う店に限定し、かわりに配当利回りが高い銘柄を増やすとともに、株価が上がった時には利益確定することにしたのです」
現在の投資額は440万円、保有銘柄はよく利用する店や応援したい地元の企業が中心です。ただし、「ランチで使う優待銘柄以外は、利益が2~3万円が出たら売る」のだとか。また、「お金も時間も効率的に使う」べく、買値から15%程度下がったら損切りし、他の銘柄に乗り換えます。
その結果、2011年1年間で、資産が240万円も増加。これは安達さんの手取り年収に匹敵する額です。
「2012年は4月中旬から相場全体が崩れたため、傷手も被りましたが、年初から6月末までで※20万円程度のプラス。まずまずの成績じゃないかと思っています」
徹底した支出の管理と利益をコツコツ積み上げる株式投資。どちらも今日から参考にできそうです。
※安達さんが、今年売買した一例としては、スギHD (7649)でプラス4万6000円、サンドラッグ (9989)プラス4万2000円、グローウェルHD(3141) プラス5万円などの利益を確定した。
■FP深野康彦さんのワンポイントアドパイス
「投資を楽しみながら、基本はしっかり元本保証の商品で貯めている点が、特徴です。節約もゲーム感覚で実践できるので、貯め要素をバランスよくもっていますね。また、他の人も同様ですが、少なくとも現時点では貯蓄1000万円は目標ではなく、通過点だという共通項も見逃せません」
次のページでは、世界中の一流企業に分散投資をして2000万円以上の資産を持つカリスマブロガーが登場します!
取材・文/大山弘子 監修/深野康彦(ファイナンシャル・プランナー)
イラスト/ハマダミノル