体系的にお金について学ぶのはなかなか難しい
今回はtwitterで質問を受けた「お金や投資についてどう学べばいいか」をまとめてみたいと思っています。お金について学ぶ、というと「株の儲け方」とか「1カ月で○万円節約するコツ」とか、話題が特定のテーマに及ぶことが多いものです。特定のテーマに及ぶほど、「成功者に学べ」になってしまいます。基礎的な教育で重要なのは、体系的に幅広く学ぶことであって、特定の技術の成功者に学ぶのはその後なのです。基礎を学ばず応用に飛ぶのは、小学校に行かずに専門学校にいきなり通うようなものだと思います。
とはいえ、まじめな人が書店で体系的に論述された書籍を探してみても、これがなかなか見当たりません。実はお金に関する教育項目、つまり金銭教育や投資教育の課題を体系的にまとめたものはほとんどないのです。FPが資格を取得するために学ぶテキストは確かに体系的ですが、これは一般的なものではありませんし、そのまま全部読むわけにもいきません。
そこで、日本FP協会ではパーソナル・ファイナンス教育のための指針を示しており、どのような項目を学べばいいか、体系的な整理をしています。お金について学びたい人にとってはとても参考になります。
→日本FP協会 パーソナルファイナンス教育スタンダード
上記リストを見てみると、学生(小中学生と、高校・大学生ではまた異なる)と、社会人、高齢者がそれぞれどのようなテーマをどの程度の理解度まで学ぶべきか、具体的に示されています。自分の知識レベルがどのあたりで弱くて、どのあたりを学べばいいかオーバービューを捉える参考として一読をオススメします。
お金について学びたい人の3つのステップ
とはいえ、外部リンクを貼っておしまい、というわけにもいきませんし、もう少し具体的かつ効率的にお金について学びたい(また、ヤマサキの個人的な意見も聞きたい)という人のために、お金について学ぶ3つのステップを紹介してみましょう。1)稼ぐ→貯める(節約する)→増やす(運用する)の流れを整理する
人のお金の流れはそれほど複雑ではありません。仕事や他の手法で「稼ぐ」というプロセス(自分の能力を活かして生活に困らないだけのお金を得る)、お金を「使う」というプロセス(効率的に使えばお金は残り、将来のための蓄積にできる)、お金をさらに働かせて「増やす」プロセス(預貯金も運用の一部であるし、資産全体のリスク管理をしながらお金を増やせば効率的資金準備ができる)の3つをしっかり整理すればお金の問題はおおむね見えてきます。
問題点や課題が見えれば、学習を深めるのは簡単です。
「稼ぐ」力を高めたい場合は転職指南や自己啓発書等を手に取ったり資格取得のための問題集が役立ちます。
「貯める(節約する)」力が不足している場合は、そうしたヒントを雑誌・書籍から得ればいいわけです。
「増やす(運用する)」については資産運用の手法を説明した類書を読み進めていけばいいわけです。
→3つのステップの続きは次ページへ