新潟県長岡市で、毎年8月1日から3日にかけて開催される「長岡まつり」は、2日から3日にかけて小さな花火から正三尺玉まで合計2万発にもおよぶ花火が打ち上がり、その素晴らしさから「日本一の大花火」とも言われています。
今回はその日本一の大花火、長岡まつり大花火大会をご紹介します。さまざまな思いのもとに打ち上がる花火の素晴らしさは見る人の心を大きく揺さぶりますよ。
<目次>
- 日本一の大花火、長岡まつり大花火大会
- さまざまな祈りを込めて打ち上がる長岡の花火
- 日本一長い信濃川の河川敷から日本一の大花火を見上げよう
- 感動が続く大型花火が続々と
- 慰霊と平和への祈り「白菊」
- ナイアガラ
- 天地人花火
- この空の花
- 故郷はひとつ
- 米百俵花火・尺玉100連発
- 鎮魂と復興の祈りを込めて夜空に打ち上がる大花火!
- 復興祈願花火「フェニックス」
- 正三尺玉
- 花火大会のフィナーレは観客全員で!
- 長岡まつり大花火大会へのアクセス
日本一の大花火、長岡まつり大花火大会
新潟県内で2番目に人口の多い長岡市(Googleマップ)は、東京~新潟を結ぶ上越新幹線、関越自動車道と日本海側の幹線ルートである信越線、北陸自動車道が交差する交通の要衝です。その長岡で毎年8月1日から3日にかけて開催される「長岡まつり」は、長岡で一番大きなお祭り。1日は前夜祭で、2日と3日の夜に大花火大会として花火が打ち上がります。
第二次世界大戦のため、1938年(昭和13年)から9年間中止を余儀なくされましたが、1947年(昭和22年)には復活。その後も毎年行われ(※)、今では「日本一の大花火」とも呼ばれる新潟県内でも有数の大きなお祭りになりました。
※2020年,2021年のみコロナ禍のため開催見送り
さまざまな祈りを込めて打ち上がる長岡の花火
長岡まつりの開催日は、曜日に関わらず毎年8月1日から3日です。これには長岡の街が歩んできた歴史が大きく関わっています。長岡は、第二次世界大戦中の1945年(昭和20年)8月1日夜にアメリカ軍の焼夷弾による空襲を受け、市街地のほとんどが焼け野原となりました。
しかし、わずか1年後の1946年(昭和21年)8月1日に「長岡復興祭」を開催、2年後の1947年(昭和22年)には花火大会も復活。以後、戦災の犠牲者への慰霊と鎮魂を込めて毎年8月2日、3日に花火を打ち上げるようになりました。
その後、2004年10月発生の新潟県中越地震で大きな被害を受けた周辺町村の復興を祈願した花火が加わり、2011年の東日本大震災からの復興祈願を重ねるなど、まさにさまざまな祈りを込めて打ち上がる花火大会となっています。
日本一長い信濃川の河川敷から日本一の大花火を見上げよう
長岡まつり大花火大会で花火が打ち上がるのは、長岡の街の真ん中を悠々と流れる日本一長い信濃川の河川敷(Googleマップ)。花火を間近で観覧する方向けとして、大手大橋と長生橋がかかる信濃川河川敷の周辺に有料観覧席が設けられ、大花火大会当日はあふれんばかりの人で賑わいます。
※以前は無料観覧席もありましたが、現在では河川敷周辺の観覧席はすべて有料観覧席に変わりました。
有料観覧席は複数種類ありますが、フェニックスエリア席等ではレジャーシートを敷いて座る形になりますので、あらかじめ用意して行きましょう。
花火は19時半に打ち上げが始まりますが、打ち上げ時間が近づくと長生橋と大手大橋は交通規制で渡れなくなりますし、混雑も激しくなりますので、有料観覧席のチケットを持っている方は早めに観覧席へ入るのが良いでしょう。
また有料観覧席のチケットを持っていない方は、河川敷の堤防に上がれないよう規制されるため、川から離れた所で見る形になります。
感動が続く大型花火が続々と
8月2日、3日の2日間で計2万発を打ち上げる長岡まつり大花火大会。大花火大会が始まると、約2時間という長い時間の中で2分~5分程度の間隔で大型花火が打ち上がります。河川敷の観覧席では、花火打ち上げ前に花火の種類と花火のスポンサーの名前がスピーカーを通して読み上げられ、「開始でございます」の一声の後に花火が打ち上がります。
大型花火の打ち上げ番組表は現地でも配布されていますし、事前に「長岡花火」公式Webサイトで入手することが可能。打ち上げ番組表を手に入れて、次はどの花火が打ち上がるのかを楽しみましょう。
それでは長岡花火の名物花火をご紹介します。
※花火の撮影箇所はすべてフェニックスエリア席(フェニックス観覧席)です
■ナイアガラ 長岡花火名物の「ナイアガラ」。アメリカ・カナダ国境のナイアガラの滝をモチーフにしたおなじみの横長の花火ですが、長岡では信濃川にかかる長生橋と大手大橋を花火の仕掛けに使います。
橋が花火の光に包まれると共に花火が川に降り注ぐ、ダイナミックな花火です。長生橋と大手大橋で2回に分けて行われ、スターマイン花火や正三尺玉と一緒に楽しむことができます。
※『天地人花火』の打ち上げは2日・3日のどちらか1日のみです。
※『この空の花』の打ち上げは2日・3日のどちらか1日のみです。
鎮魂と復興の祈りを込めて夜空に打ち上がる大花火!
長岡まつり大花火大会の一番の目的は、戦災の犠牲者への慰霊と鎮魂、そして復興への祈り。これらの思いが凝縮された重要な花火が先にご紹介した「白菊」の他に2つあります。いずれも、長岡花火の代名詞とも言える花火です。ちなみに正三尺玉の花火は、高さ600メートルまで打ちあがり、直径600メートルまでゆっくり広がっていきます。広大な信濃川の河川敷があるからこそ打ち上げることができる花火ですね。
名物花火をまとめて紹介しましたが、長岡花火ではこの他にもたくさんの花火が打ちあがります。たとえばこんな花火が打ちあがります。
・会社の創業年度にあわせて毎年1発ずつ花火が増えていく
・長岡花火の観覧を企画した大手バスツアー会社が協賛する花火では毎年ツアー参加者の人数発表あり
バラエティに富んだ花火が揃っていますので、会場でのアナウンスと共に花火を楽しむと良いでしょう。
花火大会のフィナーレは観客全員で!
すべての花火打ち上げプログラムが終わった後、フィナーレでは花火師の皆さんに感謝の意を示すため、観覧席から観客全員で手持ちの光るもの(懐中電灯や携帯電話の待ち受け画面など)を振ります。河川敷に広がる光の美しさと共に一体感を感じることができる素敵なシーンですね。日本一の大花火、長岡まつり大花火大会をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
花火に込められた様々な思いを感じに、ぜひ長岡へ出かけて見てください。
長岡まつり大花火大会へのアクセス
地図:Googleマップアクセス:
<鉄道> ・上越新幹線 長岡駅下車。
《注意事項》
・長岡まつり大花火大会当日は、駅構内が人であふれています。必ず帰りのきっぷを購入してから大花火大会に向かいましょう。
・長岡駅大手口から信濃川河川敷の観覧席までは、通常徒歩20分~30分程度です。ただし河川敷の上り下りには時間がかかりますので、歩きやすい靴を履いて余裕を持って移動しましょう。
また新潟方面、小出・柏崎・越後湯沢方面の在来線、新幹線と乗車する路線によって並ぶ行列が指定されますので、現地での案内に従ってください。
※ガイドの体験では、花火が終了後にフェニックス観覧席から帰りのきっぷを事前に購入した状態で長岡駅の新幹線ホームもしくは在来線ホームに行くまで1時間以上かかりました。
・東京行きの新幹線最終列車の出発は22時過ぎのため、観覧席で花火大会を最後まで見てから移動すると列車には間に合いません。
・花火当日、JRは在来線、新幹線共に臨時列車を増発していますが、どの列車も大混雑するため手荷物はできるだけコンパクトに収めることをお勧めします。
<車>
・関越道 長岡インターチェンジから国道8号線、国道351号線経由で長岡駅方面へ。
または長岡南越路スマートインターチェンジから国道17号線、国道352号線経由で長岡駅方面へ。
花火大会終了後は大渋滞が発生する長岡インターチェンジを避けて、北陸道 中之島見附インターチェンジ(新潟方面)や関越道 長岡南越路スマートインターチェンジ(東京方面)より遠方のインターチェンジを目指した方が早く移動できます。
《注意事項》
・長岡まつり大花火大会当日は、激しい道路渋滞が発生することと圧倒的に駐車場が不足していますので、国営越後丘陵公園からのシャトルバス利用や、南部工業団地からの臨時バス、悠久山公園からのバス、JR来迎寺駅や北長岡駅からのパーク&ライドを利用するのがベターです。
・駐車場や帰路の混雑を避けるための情報は、「長岡花火」公式ウェブサイトに詳しく掲載されています。
【関連サイト】
◇「夏の名所」に、「名所・旧跡」ガイドで夏に楽しめる名所・旧跡を紹介した記事の一覧をまとめてあります。
◇「甲信越の名所」に、「名所・旧跡」ガイドで甲信越地方の名所・旧跡を紹介した記事の一覧をまとめてあります。