明治以前の働き方は「共働き」が当たり前
明治以前は、多くの人が農業に従事し、一家総出で農作業をしていました。戦前は、夫婦共働きが当たり前でした。そして、戦後の高度成長とともに、大量生産大量消費の時代がやってきて、企業の大規模化が進みます。同時にサラリーマンという労働形態が大勢を占めるようになりました。企業が大都市に集中するようになり、子供は親元を離れますから、大家族型から核家族が増えます。当時は保育園なども少なかったですから、子育てのために専業主婦という形態が現れ、仕事をする夫と家庭を守る妻、というライフスタイルが定着しました。しかしこれからは、再び夫婦共働きというスタイルが主流になっていくのではないでしょうか。「共働き」に戻る最大の理由は家計の強化と防御です。
ナゼ共働き家庭が当然になるのでしょうか? 世帯主の稼ぎだけに頼ると、それが年収500万なら、家計の使える金額は500万円が最大です。でも妻が自分自身でも稼げるようになると、その分は完全にプラスオンで、家計にゆとりが生まれます。さらに、もし世帯主の給料が減ったり失業したりすれば? そんな非常事態が起きても家計を防衛することができます。共働きで稼ぐこと、それを阻むのが配偶者控除です。しかし、年間たった38万円の配偶者控除のために、年間の収入を103万円に抑えたとしても、節約できる金額は、税率が10%ならたった3万8千円、住民税を合わせても年間7万6千円です。そんな小さい金額にこだわるよりも、年収200万円、300万円と稼いでいくほうが、トータルの家計のパイは大きくなります。相手の稼ぎだけに頼り、それが年収500万なら、家計の使える金額は500万円。でも妻が300万円稼げば、家計全体で使える金額は800万円です。(税金もその分増えますが、微々たるものです)
それに、専業主婦(主夫)として何年も前線を離れて自宅に引っ込んでしまうと、再就職のハードルも高くなります。変化の激しい今の時代、何年もビジネスの前線を離れて家庭に引っ込んでまうと、まともな給料で雇ってくれる会社は見つかりにくいでしょう。さらに、時代の変化にキャッチアップしておかなければ、復帰した際の環境変化によるストレスも大きくなります。夫婦で家事を分担するというのは基本ですが、子育てが大変なら、お互いの両親に手伝ってもらってもよいでしょう。それができない場合、子供を保育園に行かせることになりますが、送迎などの負担も大きい。
さらに、夫婦ともに多忙な仕事で家事すら負担かもしれません。その場合、家政婦を雇うという方法もあります。確かに数年間は追加のコストがかかり、家計的には大きな負担です。しかし、再就職先を探したりパートをするよりも、長期的に見れば手元に残る金額は大きくなるでしょう。時給1,000円で8時間働いても、年収は200万にも満たないのですから。
いずれにせよ、母子の健康が守られる範囲で、ぎりぎりまで働き、なるべく早く仕事に復帰し、夫婦共働き状態をできるだけ長く続ける、あるいは続けられるような仕事を選ぶ、という環境づくりも必要です。
参考:「お金がいままでの10倍速く貯まる法」三笠書房