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遠距離介護の交通費節約法…新幹線・飛行機の介護帰省割引など

【介護アドバイザーが解説】遠距離介護の交通費負担は大きなものです。介護帰省の頻度はそれぞれでも、毎月1回はケアマネジャーとの面談でケアプランを確認し、署名・捺印対応も必要です。節約に役立つ、航空会社の介護割引や格安航空会社のLCC利用、新幹線の割引制度などをまとめました。

横井 孝治

執筆者:横井 孝治

介護・販促プロモーションガイド

遠距離介護の交通費負担は、介護家族の大きな悩み

介護帰省のお金・費用

遠距離介護を担う家族にとって、介護帰省にかかる高額な交通費は切実な問題です

 

【ご注意】
記事内で紹介している各社の制度は変更されることがあります。最新情報については、各社のWebサイトなどでご確認ください。


実際に遠距離介護を行っている人と話をしていると「交通費の負担が厳しい」という悩みを聞くことが少なくありません。

ガイドである私自身も以前、東京と大阪を仕事で往復しながら三重県の実家に週1~2回帰省するという暮らしを、1年以上にわたって続けていたことがあります。当時の1カ月あたりの交通費は、ざっと32~33万円ほど。そのうち会社の出張交通費でまかなえるのは半分以下でしたから、20万円ぐらいは自己負担していたはずです。一般的なサラリーマンにとって、これは「痛い」で済む金額ではありません。片道3~4時間程度の私でもこの程度ですから、もっと遠くに実家をお持ちの方にとって交通費の負担はシビアな問題です。

さまざまな介護保険サービスを利用して、介護作業にかかる負担を減らしたとしても、毎月1回はケアマネジャーと面談してケアプランを確認し、署名・捺印するといった役割は、介護家族にしかできません。そのため、介護家族としてはある程度の頻度で帰省せざるを得ないのが実情です。

介護帰省の交通費節約術1:「航空会社の介護割引」を利用する方法

飛行機を使って帰省されることが多い人の場合、航空運賃の負担はかなりのもの。航空会社のなかには介護割引を行っているところもあるので、まずはそうしたところを調べましょう。介護割引の適用は当日予約でも可能なので、急に帰省することになったときにも便利です。

■ 日本航空「介護帰省割引
[利用条件]
・要介護・要支援被認定者の「二親等以内の親族」と「配偶者の兄弟姉妹の配偶者」ならびに「子の配偶者の父母」であること。
・JALマイレージバンクに加入し、「介護帰省割引のお客さま情報登録」を行うこと。

■ 全日空「介護割引
[利用条件]
・要介護・要支援被認定者の「二親等以内の親族」と「配偶者の兄弟姉妹の配偶者」ならびに「子の配偶者の父母」で、満12歳以上であること。
・ANAマイレージクラブカードに加入し、「介護割引情報登録」を行うこと。

■ スターフライヤー「介護割引
[利用条件]
・要介護・要支援被認定者の「二親等以内の親族」と「配偶者の兄弟姉妹の配偶者」ならびに「子の配偶者の父母」であること。
・「介護割引パス」の発行を受けること。

■ ソラシドエア「介護特別割引
[利用条件]
・要介護・要支援被認定者本人または、要介護・要支援被認定者の「二親等以内の親族」と「配偶者の兄弟姉妹の配偶者」ならびに「子の配偶者の父母」であること。介護家族については2名までが対象。
・「介護割引パス」の発行を受けること。

介護帰省の交通費節約術2:「格安航空会社(LCC)」を利用する方法

「LCC(ロー・コスト・キャリア)」と呼ばれる格安航空会社の場合は、介護割引制度が用意されていない場合が多いのですが、そもそもの航空運賃が安いのが魅力です。

スカイマーク
搭乗日の28日前までにWebサイトから予約を行うと、さらに大幅な割引が受けられる「WEBバーゲン」という制度もある。

ピーチ
日本におけるLCC人気の火付け役。期間限定のキャンペーンを行うことが多いので、帰省の路線がある人はときどきWebサイトで確認しよう。

ジェットスター
同じ路線を運行する他の航空会社の公示運賃が同社のそれより安い場合、差額相当分の割引が受けられる「最低価格保証」を導入している。

AIRDO
北海道内の6空港に発着便があるなど、とにかく北海道に強い。

介護帰省の交通費節約術3:「JRの割引制度」を利用する方法

JRの場合、介護を目的としたいわゆる介護帰省のための割引制度はありません。それ以外の割引制度をうまく使うか、駅前などにある格安チケットショップなどを利用することになります。

ここではJR各社が提供している割引制度のなかで、介護家族にとって使い勝手が良さそうなのものをいくつかご紹介します。ほかにもさまざまな割引制度やキャンペーンがあるので、興味のある人は調べてみましょう。

■ 大人の休日倶楽部ジパング(JR東日本、JR北海道)
JR東日本・JR北海道において、「片道・連続・往復」201km以上利用の場合、運賃・料金が最大で3割引。
全国のJRにおいて「片道・連続・往復」201km以上利用の場合、運賃・料金が1~3回目まで2割引、4~20回目まで3割引。
その他、会員向けの、割引切符を購入できる。
[利用条件]
・満65歳以上
・年会費4,364円(税込)

■ 大人の休日倶楽部ミドル(JR東日本、JR北海道)
JR東日本・JR北海道において、「片道・連続・往復」201km以上利用の場合、運賃・料金が最大で5%引。
その他、会員向けの割引切符を購入できる。
[利用条件]
・満50~64歳
・年会費:初年度無料、2年目から2,624円(税込)

■ 50+(JR東海)
「EX旅パック」で取り扱う50歳以上専用の旅行商品。
50歳以上のエクスプレス予約会員を対象に、オトクな旅行商品や旅行先で利用できるコンテンツ付き商品を販売。
[利用条件]
・満50歳以上でエクスプレス予約会員として登録
・年会費:エクスプレス予約会費1,100円(税込)

■ ジパング倶楽部(JR西日本)
JR西日本において、「片道・連続・往復」201km以上利用の場合、運賃・料金が3割引。
全国のJRにおいて「片道・連続・往復」201km以上利用の場合、運賃・料金が1~3回目まで2割引、4~20回目まで3割引。
その他会員向けの、割引切符を購入できる。
[利用条件]
・満65歳以上
・年会費:3,840円(税込)

■ おとなび(JR西日本)
会員向けの、割引切符を購入できる。
[利用条件]
・満50歳以上でWESTER会員として登録
・年会費:無料

■ ジパング倶楽部(JR四国)
全国のJRにおいて「片道・連続・往復」201km以上利用の場合、運賃・料金が1~3回目まで2割引、4~20回目まで3割引。
その他、会員向けの割引切符を購入できる。
[利用条件]
・満65歳以上
・年会費:3,840円(税込)

■ JR九州ジパング倶楽部(JR九州)
全国のJRにおいて「片道・連続・往復」201km以上利用の場合、運賃・料金が1~3回目まで2割引、4~20回目まで3割引。
その他、会員向けの割引切符を購入できる。
[利用条件]
・満65歳以上
・年会費:3,840円(税込)

エクスプレス予約
東海道・山陽新幹線「のぞみ」「ひかり」「こだま」の予約サービスだが、会員専用の割引制度が充実している。
[利用条件]
・サイトからの事前会員登録が必要。

e5489
山陽・九州新幹線やJR西日本・JR四国・JR九州の特急電車の予約サービスだが、JR西日本「J-WESTカード」会員専用の割引制度が充実している。
[利用条件]
・JR西日本「J-WESTカード」に入会すること。
※予約サービスの利用だけなら、「J-WESTカード」への入会は不要。

私鉄各社についても、介護を目的とした帰省のための割引制度を用意しているところは無いようです。ただし鉄道会社によっては、介護割引とは異なる割引制度を用意しているところもあるので、自分がよく使う路線についてはインターネットなどを使ったり、直接鉄道会社に問い合わせるなどして、しっかりと調べておきましょう。

介護帰省の交通費節約術4:「高速バス」を利用する方法

移動時間そのものは長くかかってしまいますが、交通費を抑えるという意味では高速バスの安さは魅力です。ただ残念ながら、介護を目的とした帰省のための割引制度を用意しているバス会社は無いようです。

さまざまな路線、さまざまなバス会社がサービスを提供しているので、比較サイトをうまく利用して、希望に合ったサービスを探しましょう。

ここでは、主な高速バス比較サイトをご紹介します。

楽天トラベル: 高速バス・夜行バス予約
このサイトを通して予約することで、楽天スーパーポイントを貯めることが可能。

バス比較ナビ
「どの出発地からどこ行きのバスが出ているのか」「最安値がいくらか」に特化しており、相場を知るのに便利。スマホアプリが使いやすい。

高速バスネット
会員登録することで、2回目以降の予約や予約内容の変更が簡単にできる。

【編集部おすすめの購入サイト】
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