株式戦略マル秘レポート/戸松信博の「海外投資、注目銘柄はここ!」

VIX指数(恐怖指数)は1ヶ月限定で勝負したい!

恐怖指数ともビックリ指数とも言われるVIX指数ですが、金融危機以降は大きく注目を集めています。欧州債務問題などで予想外のことが起こる可能性もある今、再度この指数の活用法を検証してみました。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

  • Comment Page Icon

VIX指数(恐怖指数)とは

恐怖指数ともビックリ指数とも言われるVIX指数。しかし上手く利用すれば利益を出すことも出来ます

恐怖指数ともビックリ指数とも言われるVIX指数。しかし上手く利用すれば利益を出すことも出来ます

別名「恐怖指数」とも呼ばれるVIX指数ですが、正式名称はThe Chicago Board Options Exchange SPX Volatility。日本語ではシカゴ商品取引所SPXボラティリティーインデックスとなります。米国主要株価指数(S&P500)のボラティリティー(株価変動率)が大きいか小さいかを先読みして変動する指数(インデックス)です。このVIX指数は2012年3月16日に13.66という、金融危機以降の最低値を記録しました。13.66というのは2008年以降の最低値ですが、15あたりまで下がることは年に1~2度あります。しかしこの数値は下がれば下がるほどさらに下がるのは難しくなる一方、上に行くときには天井なしに上昇するといえるような傾向があります。

1990年代や2005年~2007年初めまでの究極的な楽観相場であっても、せいぜい10を僅かに下回るところがVIX指数の下限でした。一方上に行く時は、従来40を超えるようなことはまずないと言われていましたが、金融危機の最中では2度にわたり80を超えた月があり、上限は打ち止めがありません。

金融危機以降にVIX指数への注目が高まった

そして金融危機以降、世界の投資家(主にプロを中心に)の間でボラティリティー指数に連動する資産(VIX指数先物やそれに関するETF、ETNなど)への関心が急激に高まってきました。米国のVIX指数だけでなく、同じ性質を持つボラティリティー指数が欧州市場にもできており、これらの先物取引高は2010年以降に10倍以上に大きく増えてきている状況です。

日本でもVIX指数先物などに連動するETF・ETNが東証・大証に合計4銘柄が上場

日本でもVIX指数先物などに連動するETF・ETNが東証・大証に合計4銘柄が上場

またこの動きに合わせて個人投資家向けにも同様の取引ができるように、VIX指数先物などに連動するETF・ETNが沢山できており、日本でも東証・大証に合計4銘柄が上場しています。

金融危機以前の投資の世界では、主に分散投資が相場急落時には有効だと言われてきました。しかし金融危機でそれが通じないこともあると身にしみて分かったあと、ボラティリティー自体を管理する必要性に、投資家(特に年金や大手の資産管理ファンドの運用者など)が注目するようになったのです。

ここまで注目を集めてきていますので米国株を対象にしたVIX指数ではなく、日経平均の値動きを対象に作られたボラティリティー・インデックスを対象とする先物商品やそれに連動するETFなども登場してくるでしょう。
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます