支払ったコストが「もったいない!」と思ったときには
サンクコストというのは、埋没費用という意味で、既に支払った回収できない費用のことを指します。「既に支払ったコストは戻ってこないので、将来の意思決定には反映させるべきでない」という経営学でおなじみの専門用語です。これは私たちの生活にも応用できます。ちなみに以下は、過去の私のサンクコストに対する意思決定の方法です。皆さんも自分にとっての「サンクコスト」を見直してみませんか?
使いにくい手帳はすぐに買い換える
使いにくいと思ったら、買い換えます。手帳を一度買ったはいいものの、土日の欄が小さい手帳だったのです。しかし土日にイベントがよく入る自分としては使いにくい。手帳代1000円のためにガマンして1年も使い続けるよりも、買い換えたほうがいいと思ってそれを捨て、買い換えました。まずい食事はガマンせず食べるのをやめます
おいしくないと思ったら、食べるのをやめるレストランで注文した料理がおいしくなかったとしたら、無理して食べず、すぐに会計を済ませて出て、店を変えます。もちろん、「この値段ならこんなものか」という場合は別ですが、明らかに価格と味がつりあっていない時は、「おいしくない料理」だけでなく、「ガマン」にまでお金を払うのはもったいないですから。つまらないミュージカルは途中で帰る
おもしろくないと思ったら、観るのをやめて帰ります。友人とミュージカルを観に行きましたが、洗練されておらず、おもしろくない。そこで、途中で出てしまいました。確かに8000円はもったいないけれども、ガマンして最後まで観れば、お金と時間のロスというダブルパンチになります。映画やレンタルDVDなども同じですが、さっさと割り切ります。キーがしっくりこないノートパソコンは生産性が低い
新しいノートパソコンに変えてみたけど、重い、キータッチがしっくりこない、画面の解像度が思ったほどよくないなど、不満があればすぐに中古パソコンショップに売って、別のものに買い換える。特に私のような職業では、パソコンは生産性を左右する重要なツール。15万円で買って8万円でしか売れなくても、その差額以上の稼ぎを新しいパソコンで得ればよいので、躊躇なく売却できます。サンクコスト発想法で過去を嘆くよりも未来を変える
既に起こってしまった出来事は、将来の意思決定には反映させないようにしましょう。たとえば学歴コンプレックス。学歴は、学校に入りなおすとか、大学院に入って最終学歴を変えるとかをしない限りは、変えることはできません。学歴に劣等感を抱いたところで、マイナスこそあれ、プラスに働くものはありません。ほかにも、過去に自己破産したことがあるとか、離婚したことがあるとか、不義理をしたことがあるとかを嘆いても、その事実は変わりません。それよりも未来を変えることです。過去の評価は、将来なしえたことで決まるものです。晩節を汚すと、かつてどんなに素晴らしい業績をあげたとしても、「どうせあの頃も詐欺まがいのことをしていたんだろう。」といわれます。しかし、これから素晴らしい行いをすれば、「あんな大変な経験をしたことが今に生きたんですね」とプラスの評価に変わります。
参考文献:「お金を稼ぐ習慣術」(日本実業出版)