GNHに基づいたガイド同行システム
GNH(Gross National Happiness:国民総幸福量)を重んじる国策のもと、「持続可能な観光」を推進するブータン王国では、その独自の観光資源を活かし、「文化・自然・ウェルネス」の3本柱で観光素材の開発を進めています。その中でも特にユニークな、ブータン独自の「文化・伝統」をより深く、正しく旅行者の方々に知っていただくためには、ガイドからの解説が欠かせません。そういった意味でも、ブータン政府は旅行者に、公式ライセンスを持ったガイドの同行を義務付けているのです。
ブータン旅行商品の中には、有名ガイド指定のコースもいくつかありますが、ほとんどの場合、どのようなガイドさんが旅のお供をしてくれるのかは、到着日当日までのお楽しみ。今回は、ガイド歴約4年、伸び盛りの若手ガイド、ツェリン・タシ(ニックネーム:ジェリー)さんへのインタビューを通し、皆さんにブータン旅行の雰囲気をお届けしたいと思います。
話せる言語は6つ
――今日は、どうぞよろしくお願いします。まず、自己紹介をお願いできますか?
タシさん:
はい、よろしくお願いします。名前は、ツェリン・タシと言います。現在は29歳で、2年前に結婚し、今は妻と2人でティンプーに住んでいます。子供はまだいないです。生まれは、ブータン南部のゲレプという街です。小学校まではそこに住んでおり、ゲレプはインド国境にかなり近いので、ネパール語とヒンディー語を話すことができます。そして、ブータン東部のタシヤンツェという街の中学・高校に通いました。今の王様のご出身地である、ルンツェという街に居たこともあります。それぞれの地方で、使う言葉が全く違うので最初は覚えるのが大変でした。学校教育はすべて英語です。そして、高校を卒業後、2008年にティンプーに来て、政府観光局のコースで、ガイド資格と、日本語の勉強をしました。
――すごいですね。英語、ブータンの国語であるゾンカ語、ネパール語、ヒンディー語、東部の言葉、そして日本語……。
タシさん:
はい、全部で6つの言葉を話すことができます。東部の言葉は、最近は使わないので、だんだん忘れてきてしまいましたが(笑)
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