アルツハイマー型認知症の症状は
「記憶障害」だけではない
アルツハイマー型認知症の症状は「記憶障害」だけでない。日常生活を送る際に必要な基本的動作ができなくなる「生活障害」にも注目すべきだ
ノバルティス ファーマ株式会社は2012年3月、この「生活障害」に焦点を当てて、症状が軽度から中程度で、治療薬を服用しているアルツハイマー型認知症の家族(親)を在宅で介護している30代以上の全国男女計300名を対象に、介護に関する実態調査を実施しました。
9割の介護者が患者の「生活障害」に
なんらかストレスを感じている
同調査では、アルツハイマー型認知症の介護に関わる前から知っていた症状についてたずねてみたところ、「記憶障害」(91.7%)が最も多く、次に「見当識障害」(78.7%)、「認知障害」(73.7%)、「生活障害」(70%)と続きました。ここから「生活障害」について掘り下げて質問してみました。まず、患者の「生活障害」によってストレスを感じることがあるかを介護者にたずねたところ、約4割(42.4%)が「とてもストレスを感じる」と回答。「ややストレスを感じる」(48.1%)と合わせると、約9割(90.5%)が「生活障害」になんらかのストレスを感じていることがわかりました。
そんな「生活障害」のうち、最もストレスを感じる例として、約3割(32.2%)の介護者が「単純な会話や指示が理解できない」ことを挙げており、次に「正しい時間に薬を飲めない/正しい用法・容量で薬を飲めない」(17.1%)、「介助がないとベッドやトイレの場所が分からない」(12.4%)が続きました。
「生活する」機能の維持・改善を
半数以上の介護者が求めている
アルツハイマー型認知症の現実的な治療目標として、『「生活する」機能を維持・改善』することが大切だと考える介護者が半数以上(54.3%)にものぼり、『「記憶する」機能を維持・改善』することが大切だと考える介護者(18%)の約3倍となりました。多くの介護者が、記憶よりも、生活する機能の維持・向上を重視していることがわかります。また、アルツハイマー型認知症の治療薬で効果を期待する「生活障害」の症状を介護者にたずねたところ、「単純な会話や指示が理解できない」と半数以上(55.3%)が回答。患者とのコミュニケーションの改善を期待する介護者が多いことがわかります。さらに、半数近く(49.7%)が「正しい時間に薬を飲めない/正しい用法・容量で薬を飲めない」ことに対して効果を期待しています。
アルツハイマー型認知症の治療薬として新たな選択肢
「貼り薬」イクセロンパッチ
同調査では、アルツハイマー型認知症患者の生活する機能が維持・改善することを介護者が期待しているものの、介護者の約半数(49%)が現在患者の服用している治療薬に満足していないことがわかりました。そんな中で、症状が軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症の治療薬の1つとして、「イクセロンパッチ」(一般名:リバスチグミン、製薬・販売:ノバルティス ファーマ株式会社)が注目されつつあります。
イクセロンパッチは、アルツハイマー型認知症の治療薬としては、日本で初めてのパッチ剤(貼り薬)で、なかでも認知機能(単語再生、口語言語能力、言語の聴覚的理解、手指および物品呼称、見当識など)の障害の進行を抑制する効果が示されています。
イクセロンパッチの投与方法は、1日1回、皮膚(背部、上腕部、胸部のいずれか)に貼り付けるだけという簡単なもの。これで服薬の介助・管理といった、介護者の負担を軽減することができます。しかも、貼り付けたかどうかや貼り付けた枚数を実際に目で見て確認できるので、服薬の遵守・継続にも期待できます。また、皮膚を通して薬剤が徐々に吸収されるため、血中濃度の急激な上昇が抑えられ、消化器の症状(悪心、嘔吐など)も軽減されます。
患者とその家族の介護者との両方の負担が軽減されるアルツハイマー型認知症の治療薬として、このイクセロンパッチはひとつの選択肢として挙げられるでしょう。
【関連サイト】
ノバルティス ファーマ株式会社