フルモデルチェンジというに相応しい進化

M・ベンツBクラス

6年ぶりにモデルチェンジを果たし2代目へと進化したトールワゴン。日本ではベーシックモデルのB180ブルーエフィシャンシー(299万円)と、スポーティなスタイルのB180ブルーエフィシャンシー スポーツ(348万円)をラインナップ


世界で70万台以上を販売し、一躍、M・ベンツの主要モデルとなったBクラス。セダンが圧倒的に強い中国市場でも意外にウケたようで、旧型はモデル末期の2011年半ばにおいても前年比21%アップという実績を残した。日本のマーケットでも、セダン系のC-E-Sクラスに次ぐ柱のモデルとして、既に十分認められた存在になった。

だからだろう。今回の第2世代への移行は、かなり力が入っている。正にフルモデルチェンジというに相応しい内容だ。内外装のデザインから、プラットフォームのコンセプト、ドライブトレーンに至るまで、車両説明のみで何ページも費やしてしまいそうなくらい、充実した内容の全面刷新になっている。

とはいえ、“コンパクトでプレミアムなスポーツツアラー”、というキャラクターだけは先代を踏襲した。つまり、コンパクトなサイズに十分な室内スペースを盛り込み、クラス最高峰の動力性能で走らせよう、というコンセプトは変わらない。

メルセデスらしい見栄え質感と安全性能や環境性を達成しつつ、コンフォートネスとスポーティネスを両立することが、人気モデルBクラスへの“さらなる期待”であった。それゆえ新型の開発にあたっては、安全性のいっそうの向上と、ダイナミクスの進化に力を注ぎ込んだと言っていい。
M・ベンツBクラス

シフトはパドルシフトも備わる、コラム型のダイレクト セレクトを採用。リアビューカメラやアンビエントライトも標準装備とする。エアアウトレットはSLS AMGの流れを汲む丸形デザイン


何よりもまず大きなユーザーメリットとして採り上げておきたいのが、ABS標準装備という過去のトピックと同等のインパクトがあると本国エンジニアが胸を張った、レーダー型衝突警告システム“CPA”の標準搭載だ。これは、低速域のみならず最大250km/hという高速域まで適用される追突防止のアダプティブ・ブレーキアシストシステムで、これにより、追突事故を20%、それによるバリューの損害を25%、それぞれ減じることができると、開発陣は豪語した。

パフォーマンス面での進化は、車体構造を全面刷新することで達成された。現行モデルのサンドイッチ構造を“半分捨てる”ことによって、より重心の低いパッケージングを可能とし、自由度の高まったリアには新開発の4リンクサスペンションを設え、改良型ESPや新開発パワートレーンを積んで、エアロダイナミクス性能に優れたボディスタイルを被せた、というわけだ。

サンドイッチ構造を半分捨てた、というのはモノの喩え。現時点でBクラスはサンドイッチ構造を採ってはいない。けれども、今後、新たな次世代パワートレーンを積む際には、後半のフロアだけを二重構造に変換できるフレクシブルなモジューラー車体構造“エナジースペースコンセプト”を採用しているのだ。つまり、EVやFCEVへの転用のみならず、例えば流行りのコンパクトSUVへの変身だって可能である。

直4ガソリンエンジンも最新世代の直噴タイプ/ブルーダイレクトとした。排気量を1.6リッターとし、ターボチャージドでパフォーマンスを稼ぐ、いわゆるダウンサイズドタイプだ。
M・ベンツBクラス

ボディサイズは旧型より全高が65mm低い、全長4365mm×全幅1785mm×全高1540mm。空力性能も高められ、Cd値は旧型の0.30から0.26に向上した


さらに新開発エンジンに組み合わされた、新しいミッションにも注目しておきたい。メルセデスが自社開発した、湿式7速デュアルクラッチミッションを採用した。極めてコンパクトなこの7G-DCTには、もちろんアイドルストップ機能が付いている。従来のCVTからDCTへ変更することで約8%の燃費向上をみた、というのがメルセデス開発陣の主張である。

その他、モーターをステアリングギアに直接組み付ける方式のデュアルピニオン式電動パワーステアリングの採用や、CクラスやEクラスのスタンダードグレードを上回る勢いの質感を手に入れたスポーティなインテリア、クラス最大級の室内スペースなど、語るべきポイントはまだまだあるわけだが、そろそろ気になる試乗リポートに移っておこう。