停電しても困らない!
オール電化キッチン改造計画の提案
今朝のニュースで、原発再稼働へ向けて日本の政局が大きく舵を切った報告があった。夏の電力需要をまかなうため原発の再稼働はやむを得ないという理論が前提である。今年4月のミラノサローネ視察のとき、イタリア在住の方からお聞きした話は、かなり衝撃的だった。
26年前に起きたチェルノブイリ原発事故のあと、世界の原発は運転中止や廃炉に追い込まれた国が多かった。そして昨年の福島原発事故のあと、ドイツでは旧型原発の運転を停止しエネルギー基本戦略を変更したり、イタリアでは昨年6月に国民投票をおこなって原発凍結賛成が94%以上を占めた。
原発停止の結果、イタリアは電力をフランスやスイスから買っているため、電気料金が高く、安定供給できない状態が続いている。現実の家庭生活への影響は時々おこる停電や、電圧不安定なために照明が暗くなることもあるという。
日本の原発推進論者からは、“それ見たことか、イタリア人は例によっていい加減な国民性のためこんな結果になっている“と指摘する。また経済生産にも多大な影響を与えるから節電すらも認められないという企業経営者の意見も多い。
しかし、本当にそうだろうか?原発事故のあと一時は計画停電も実施され、町の灯りや駅の照明、商業施設の照明などが落とされたが、明かり好きの国民性もあって不夜城のごとき電力消費が再び町を覆い、電化生活を享受する。
私たち日本人は、かってのバブリーな生活を反省し、イタリアのスローライフに学ぶべきだといいながらも、停電は絶対困るという。「停電したって良いじゃない!照明が消えればローソクの明かりを楽しもう」というイタリア人の暮らし方をもっと参考にできないのだろうか?
そのように価値観を変えないと原発推進論を押さえ込むことは不可能だろう。
日本では電力会社の政策にのって、この10年間でオール電化住宅が300万戸以上に増加している。オール電化住宅の基本はキッチン電化、給湯電化、空調電化の3つを併せて呼ぶが、日々の暮らしに一番密接につながるのがキッチン電化だ。調理作業をIHクッキングヒーターに依存する訳で、停電になって一番困るのは調理作業ができないことだ。
オール電化キッチンの改造計画
電化住宅やオール電化マンションにガス配管を追加することは、経費的にもほとんど不可能だが、プロパンガスとコンロがあれば停電になっても慌てることはない。LPG保安法などではキッチン内に持ち込めるプロパンガスの容量は5kgボンベまでが可能だ。
オール電化キッチンのIHクッキングヒーターを、AEGやリンナイから発売されている組み合わせのできるシステムクッカーに変更し、ベースキャビネット内にプロパンガスボンベの収納場所を設置するという簡易な工事で、停電時にもお湯を沸かせて調理作業ができるキッチンが可能となるわけだ。
プロパンガスボンベの設置に関してはLPG取扱い資格者に依頼し、ガス感知器を設置するなど、法規面、安全面で充分配慮されたキッチン設計が必要です。
ドイツAEG社のシステムクッカー
リンナイのシステムクッカー「マイチョイス」
5kgのLPGガスボンベとLPガス用単段式調整器(marueサイトから画像借用)
■リンナイ「マイチョイス」の詳細は公式サイトをご覧ください。
■LPGガスボンベはmarueガス器具ネットから購入できます。
©May.2012 Copyright HIDEWO KURODA KITCHEN SYSTEM LABO.INC.