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一見フツー、実はマニアックなNHK『ひるブラ』の謎(2ページ目)

『笑っていいとも!』をはじめ、人気番組のひしめくお昼の時間帯にあって、淡々とわが道を進んでいる番組、それがNHKの『ひるブラ』です。のんびりした番組のように見えますが、実はものすごく手の込んだことをやっている番組なのです!

広川 峯啓

執筆者:広川 峯啓

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まるでテレビ創世記のような撮影体制

『ひるブラ』というタイトルに騙されて(笑)、こっちもブラっと見てたら気付かないかもしれませんが、この番組は基本的にほぼ1台のカメラで中継されてます。正確には、ワイプ画面があるので2台ということになりますが。

これがどれほど凄いことかと言うと、例えばバレーボールの中継なら1試合で35台もカメラを使ってます。生放送、収録ものにかかわらず、ロケ中継は複数カメラを使うのが、いまの常識なのです。

それを1台のカメラで20分以上中継するとどうなるのか? まず、カメラがやたらと動き回ることになります。リポーターが動けば、カメラもそれに付いていきます。番組前半が野外で、後半が2階にある食堂だった回がありました。さすがに2台目のカメラが食堂で待機してるんだろうと思ったら、出演者の後ろから細い階段をカメラが上っていったのには大いに驚き、少し感動しました。


無理を承知でリクエスト

もちろん天下のNHKなので、例え地方局制作でもカメラを節約してるってことはないでしょう。佐世保で3日間生中継した中で、水族館のイルカを特集してましたが、自由な動きのイルカを捉えるため、プール全体を見下ろす俯瞰カメラを含めて、数台使ってました。新鮮な印象がありましたが、考えてみればこれが普通なんです(笑)。

ちなみにこの週、月曜は番組まるごと佐世保バーガーで、火曜がイルカ。水曜日は何かなと思ったら、またバーガーを扱ってました。何というおおらかさ(あくまでもホメ言葉です)!!

こういう地味&マニアックな番組が大好きなのが、NHKで「ブラ」の先輩でもあるタモリさん。ある意味、生で『タモリ倶楽部』やってるかのようなユルさ(あくまでも画面上は)を生チェックできないのは、皮肉なところ。無理を承知でお願いしますが、30周年を迎える『いいとも!』を勇退した時には、ぜひこちらにゲスト出演して、1台きりのカメラにツッコミいれていただきたいものです。
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