ブータン政教の中心「タシチョ・ゾン」
ブータンで、「ゾン」は、宗教的寺院・地方行政の中核、という2つの役割を持つ建物を指します。タシチョ・ゾンは、ブータン仏教界の最高権威であるジェー・ケンポの夏季の住まいであると同時に、国王のオフィスでもあります。釘を1本も使わず、木組みだけを用いるブータンの伝統的な建築法で建てられていることも、このゾンの特徴です。
ゾンの中に入ると、かつてはそこで祭が行われた中庭に出ます。そして向かって右側がジェー・ケンポの住まい、左側が国王のオフィスとなります。その中央には、煌びやかな仏像が複数納められたお堂があり、重要な式典の際に、ジェー・ケンポと国王の座る椅子等が安置されています。お堂の中は撮影禁止です。
また、こちらのように格式の高いゾンに入場する際、ブータンの民族衣装である「ゴ(男性)」または「キラ(女性)」を着用している場合は必ず、男性は「カムニ」、女性は「ラチュ」というスカーフをまとう必要があります。これは、旅行者でも同様です。
民族衣装を着用しない場合は、スカーフをまとう必要はありませんが、過度の肌の露出は避け、脱帽して下さい。
尼僧の暮らす「ドゥプトプ僧院」
タシチョ・ゾンとよく組み合わせて行程に組み込まれるのが、ドュプトプ僧院です。この僧院を建てたタントン・ギャルポは、ブータンに鉄橋の技術を伝道したことで有名な高僧です。現在は尼僧院となっており、約50名の尼僧(ナナリー)が暮らしています。
そして、この僧院の前は、タシチョ・ゾン、国会議事堂、ロイヤルパレスが一望できる、絶好のビュー・ポイントとなっています。
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