違いが分かる本物の「オトナ浴衣」

「絞りの浴衣」は大人浴衣として最適。

「絞りの浴衣」は大人浴衣として最適。

若者たちの「夏のイベントアイテム」としてミニ浴衣などが流行り、数年前からはユニクロやイトーヨーカドー、イオンなどの低価格帯の浴衣が幅広い世代に流通。そして、最近は「インバウンド旋風」のひとつとして訪日外国人向けのレンタル浴衣がブームになり、さらにはユナイテッドアローズやビームスなどのセレクトショップも和装メーカーなどと組んで、浴衣や着物、和小物の販売を強化しています。

そんな夏の定番となった浴衣だけに、「今年こそ、ちゃんとした1枚がほしい」と考えている方もいらっしゃるはず。

実際、浴衣の流れとして、近年はシックで落ち着いた柄や模様のものに人気が集まっていて、一過性の人気や華やかさで選ぶのではなく、浴衣といえどそろそろ「本物を身に付ける」ということを考えはじめている人が増えているように感じます。そこでオトナの女性にふさわしい浴衣を厳選して紹介していきます。



“絞りの浴衣”の代表、「有松絞り」とは?

究極の浴衣(絞り)

「本疋田鹿子絞綸子本紅花染の打掛」保存されているものの中では一番古い

浴衣と一口にいっても、色々な種類があります。中でも絞りの浴衣は「絞りと言えば浴衣」と連想する人も多く、その手の込んだ繊細な技術が他のものとは一味違った雰囲気を醸し出し、一度は袖を通してみたいと憧れる人も多いはず。そこでまず今回は、その「絞りの浴衣」の代表「有松絞り」のご紹介です。

有松絞りは、江戸時代から続く伝統工芸で、その技術の高さと作品の素晴らしさ は全国的に知る人ぞ知る存在です。中でも「絞りの浴衣」としての人気は根強く、着物フリークのみならず、女子として一つは欲しい浴衣でもあります。

今回はそんな有松絞りを扱うお店の中でも江戸時代から400年の歴史を誇る竹田嘉兵衛商店で、その魅力を取材しました。

豊富な種類から選べます

究極の浴衣(絞り)

このあたりであれば比較的手を出し易い


店内には所狭しと色とりどりの浴衣が並べられています。浴衣というと以前は白地、紺地が多かったのですが、最近は色とりどりのものが増えてきて、好みによって自分の個性に合ったものを選ぶことができます。やはり豊富な種類の中から選べるのはウレシイですよね。

上の写真の一団は比較的値段も手ごろで、5万8000円くらいから。(お仕立て代別)

 

究極の浴衣(絞り)

軽く涼しげな色合いが多い

右の写真は、今話題の「雪花(せっか)絞り」。板染めの一種の技法で染められたものです。比較的軽い、涼しげな色合いが魅力です。

5万8000円~(お仕立て代別)。

さらにランクアップしたい人は、伝統工芸士の反物もチェックしてみましょう。


 

シンプルで飽きのこない「紺+白」

究極の浴衣(絞り)

伝統工芸士の技が光る


こちらは伝統工芸士の方々の作品のシリーズ。やはりシンプルで飽きのこない紺+白のものが多い。合わせて半幅の帯などもある。

究極の浴衣(絞り)

一つ一つにきちんとプレートがついている

一つ一つに絞り、染色それぞれの伝統工芸士のネームが入っていて、その技術への自信が伺えます。

15万円~(お仕立て代別)


 

無形文化財の工芸士の反物は、もはや芸術品

究極の浴衣(絞り)

伝統の重みを感じさせる風合い

国選定阿波藍製造無形文化財・佐藤 昭人氏とのコラボ作品。遠目で見ても、その色合いには重みさえ感じる作品の数々。見るだけでも目の保養になります。

究極の浴衣(絞り)

藍の色が生きる絞りの柄

プリントのものでは絶対に出せないこの堂々たる風合い。手作業のための誤差もが芸術に見えてきます。

30万円~(お仕立て代別)。

 



世界が認めた「絞り」は、女性の肌も美しく見せる!

絞りの最大の特徴は、布に凹凸ができるということ。この絞りの技術、その特徴を生かして案外手近なところに応用されています。世界中で大ヒットし、ご存じの方も多いイッセイミヤケのPLEATS PLEASEのシリーズは、実はこの凹凸の美しさを利用して作られたもの。

ここ竹田嘉兵衛商店では、そういった一流デザイナーの生地製作もしているとのことで、その点についてお尋ねすると……。

「絞りの最大の特徴である凹凸は、シワが目立たないという利点に加えて、実は肌をキレイに見せる効果があるのです。そういうこともあって、世界中で好まれたのだと思います」との事。

世界が認めたワザを、日本人である私達が見逃すなど、もってのほか! としか言いようがありませんよね。


400年の歴史を誇る竹田嘉兵衛商店

究極の浴衣(絞り)

歴史を感じさせる店構え

今回有松絞りの取材を行ったのは、江戸時代から400年の歴史を誇る竹田嘉兵衛商店です。

有松絞りは、読んで字のごとく、布を糸で括る、縫う、巻き上げるなどの技法を用 いてすべて専門の職人の手によって丹精込めて作られます。この絞りの技術は、昭和初期には100種類以上もあったそうですが、現在では型染めに押され、減ってきているそうです。とはいえ、その技は他に類を見ない素晴らしいものであることには変わりありません。

 

究極の浴衣(絞り)

落ち着いた空気が流れるお茶室

絞りの技術のみならず、竹田嘉兵衛商店のお店自体の佇まいもかなりのもの。約1000坪の敷地の中には、お茶室も作られていて、月に何回かはお茶会も開かれるそう。お店全体が一度は訪れてみたいと思わせる「和」の空間に包まれています。

究極のオトナ浴衣を求める方は、日本文化を知るという観点でも、ぜひ訪ねてみては。

 

2016年6月4~6月5日は「有松絞りまつり」

そうはいっても、やっぱりお値段が……と言う方に朗報! 毎年6月の第1土日(2016年は、6月4日、6月5日)に、有松絞りまつりが行われます。この時期には通常の価格の1/2になるものもあって、良いモノがとてもお値打ちに手に入るチャンスです。興味のある方は足を運ぶ価値アリですよ。

>>後編では、着物フリークならその名を知らない人はいない「竺仙(ちくせん)」の浴衣の魅力に迫ります!


【SHOP DATA
究極の浴衣(絞り)

株式会社竹田嘉兵衛商店

株式会社竹田嘉兵衛商店
本店:
愛知県名古屋市緑区有松町往還南175番地
TEL:052-623-2511(代)

東京支店:
東京都中央区日本橋蛎殻町1-11-9
TEL:03-3666-4649

※日本橋高島屋、日本橋三越にも出店有り。


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