お金を貯める体質改善ノート/お金を貯める体質改善ノート

貯金生活から始める「リスクを抑えた投資」(2ページ目)

貯金生活が落ち着くと、投資などで資産を増やすことも考えたくなりますね。今回は投資の始め方の基本や、リスクが少ない投資についてです。投資のベテランの方には物足りないかもしれませんが、「よくわからないけれど投資を始めたい」という方の参考にしていただきたいと思います。家計運営に影響が出ない始め方です。

横山 光昭

執筆者:横山 光昭

お金を貯める体質改善ノートガイド

  • Comment Page Icon

ローリスク投資ができる商品、MMFとは?

貯金生活から始める投資

リスクがあるから、初心者はリスクの低いものを含めていこう。リスクが低くても、全くないわけではない

国債以外だと、円建てMMF、MRFといったものも、比較的ローリスクで初心者にも安心です。MMFとは、マネー・マーケット・ファンドの略。ファンドというのは投資信託のことですので、MMFも投資信託の一種です。投資信託には数多くの種類があって、株式型や債券型、外債型、バランス型などさまざまですが、MMFは公社債(国・地方自治体・公共機関の発行する債券)や、コマーシャルペーパー(優良企業が資金調達のために発行する短期の約束手形)といった短期の金融資産を中心に組み入れています。これらは、値下がりリスクの低い優良な金融商品ばかりです。そのため、投資信託は元本保証の商品ではないものの、円建てMMFにはほとんど元本割れの心配がありません。

外貨建てMMFの落とし穴に注意

MMFには「外貨建て」のものもあります。円建ての金融商品を組み入れているのは円建てMMFですが、米国債など、米ドル建ての金融商品を組み入れていれば、米ドル建てMMFになります。豪ドル建て、ユーロ建て、英ポンド建て、カナダドル建て、ニュージーランドドル建て、南アフリカランド建てというものもあります。

円建て・外貨建てどちらでも、MMFは比較的安全な金融商品を組み入れているのが特徴ですが、円建てと外貨建てではリスクのレベルが違います。外貨建ての商品には為替リスク(為替変動によるリスク)やカントリーリスク(その国の情勢に伴うリスク)が伴うので、「リスクを取りたくない」と考えるのなら、外貨建てを選ばないほうがいいでしょう。円に対して対象通貨が安いとき(つまり円高のとき)に買い、その後対象通貨が値上がり(つまり円安になる)すればいいですが、必ずしもそうなるとは言えません。

南アフリカランドなど、マイナー通貨は高金利だが……

マイナー通貨の金利は米ドルのように世界の基軸となる通貨よりも高く設定されていることが多く、魅力を感じてしまいます。たとえば、11年1月末時点で、円建てMMFや米ドル建てMMFは、大体どの商品も0.1%以下ですが、南アフリカランド建てMMFは4%台。ですが、マイナーで流通量の少ない通貨は、為替の変動が激しく、リスクが大きいものです。ジェットコースター並みのスピードで暴落するので、初心者が気軽に買うと、痛い目に遭うかもしれません。

また、高金利のメリットを打ち消しかねないほど、手数料が高いというデメリットもあります。これは外貨預金についても同じことが言えます。「預金」とつくので、安全そうなイメージの外貨預金ですが、実は円建ての預貯金よりも、格段に高いリスクを取る金融商品でもあるのです。

もう一つのローリスク商品、MRF

MRF もローリスクな金融商品で、マネー・リザーブ・ファンドの略です。MMFと同様、公社債投信の一種で、MMFのように金融機関で買うわけではなく、証券会社で証券総合口座を開き、MRFの申し込みをすることで購入が可能です。 どういうことかというと、まず証券会社に口座を開き、そこにお金を入れると、自動的にMRFに回されるのです。投資信託なので元本保証ではないものの、安全性の極めて高いもののみで運用するため、ほとんど元本割れすることはありません。普通預金よりは多少利回りが良いので、預けっぱなしにしているお金は証券口座に入れるのも手です。

今回は国債やMMF、MRFといったローリスクの金融商品のお話が中心になってしまいましたが、攻めるお金の「リスクを取らない3割の部分」の参考にしていただければと思います。リスクを取る7割の部分については、また次回とさせていただきますね。

 

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます