ニョニャ料理の特徴
海老とパイナップル煮込み、野菜炒め。どれも懐かしさを覚える味
15世紀ごろ、多くの中国人がマレー半島に移り住み、現地の女性(おもにマレー人)と結婚。生まれた子供たちのことをプラナカンといい、彼らが作り出したのが、ニョニャ料理です。マレー系の特徴である多様なスパイス使いと、中国系ならではの食材を融合させた料理で、その奥深くやさしい味わいに、日本人にも多くのファンがいます。また、イスラム教ではタブーとされる豚肉を使うのもニョニャ料理の特徴。おすすめは、パイティー、オタオタ、ポピア、チンチャーロ・オムレツ、ジュフュチャー、ロバ、クラブティムン。どれもマラッカ、ペナンの看板料理なのでお忘れなく。
ニョニャ料理1 ポピア
マレーシア人の定番おやつ、ポピア。小腹が空いたときにどうぞ
ポピアとは、包まれた料理という意味で、衣をつけて揚げたり、焼いた生地にくるんだりとバリエーションは色々。そのなかのニョニャポピアは、薄く焼いた小麦粉の生地で、キュウリ、切り干し大根、錦糸卵をくるんと巻いた春巻き。ソースはヤシ砂糖(グラママラッカ)とチリソースを混ぜた甘辛味で、生地に直接塗って、具材と一緒に巻き込みます。ヘルシーであっさりした味わいです。
ニョニャ料理2 オタオタ
数種のハーブを練り込むニョニャオタオタは、KLのオタオタよりも高級
魚のすり身で作る、マレーシア版のかまぼこ。クアラルンプールのオタオタは、平べったくのばし、炭火で炙るのですが、ペナンのニョニャオタオタは、三角垂に包み、高温で蒸します。レモングラスなどのハーブをたっぷり練り込み、溶き卵でかためたニョニャオタオタは、ふわふわのムースのような食感。バナナの葉っぱに包まれているので、やわらかな南国の香りがします。
ニョニャ料理3 ロバ
粗めにミンチにした豚肉を湯葉で巻いたロバ。チリソースをつけて食べる
湯葉版の揚げ春巻き。豚肉に五香粉(ウーシャンフェン)で味をつけ、水で戻した乾燥湯葉で巻き、素揚げしたもの。カリッと揚がった湯葉の皮が香ばしく、ジューシーな豚肉からは、ほんのりシナモンやグローブの香りがします。鶏肉バージョンもありますが、本来のロバはニョニャならではの豚肉を使ったもの。ペナン料理の定番メニューで、ビールのおつまみとしても最高です。
ニョニャ料理4 チンチャーロ・オムレツ
マラッカ名物のチンチャーロ・オムレツ。箸休めにぴったり
マラッカのお土産屋さんでよく見かける、ピンク色の小海老が入った瓶詰。チンチャーロというオキアミの塩辛で、それを具にしたシンプルなオムレツです。チンチャーロは火を通すことで香ばしくなり、濃い塩気がちょうどいい塩梅で卵に絡んでいます。オムレツというよりは、たっぷりの油で短時間に仕上げた、懐かしの卵焼き。甘みのある赤玉ねぎの食感もよく、白いご飯と一緒にどうぞ。