国民総幸福感(Gross National Happiness, GNH)。ヒマラヤの麓に位置する小国ブータンでは、物質的豊かさを求めるより、国民の幸福を第一とすべきだとされ、2008年施行の憲法には、国家の目標がGNHの追求であることが明記されています。国勢調査によれば、国民の9割以上が自分を「幸福」だと感じているという結果がでています。

GNP(国民総生産)よりGNH(国民総幸福)。ブータン発のコンセプトが世界に広まるにつれ、世界・日本でも「幸福度」を取り入れるケースが増えてきているようです。

日本で一番幸せなケンミンは?

画像はイメージです

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上記ブータンのGNHの考え方を参考に、法政大学大学院の坂本光司教授研究チームが、生活・家族部門/労働・企業部門/安全・安心部門/医療・健康部門の4部門を10段階評価。そこから総合点を算出、ランキング化して発表しています。

調査結果によると、トップ3は都心から離れ人口も少ない北陸の福井・富山・石川が独占。逆に都市代表とも言える東京・愛知などは軒並み下位に収まり、大阪にいたっては最下位に甘んじています。

坂本教授によると上位3県に共通することとして、「日本海側に位置し、東京から離れた人口100万人前後の県。モノづくり、第二次産業が集積している。失業率の低さや保育所定員の高さなど就業環境や子育て環境も整っていることがうかがえる」と説明。

また大阪府は、平均寿命の短さや生活保護受給者の多さや、治安の悪いこと、保育所定員比率の低さなどから順位を下げているようです。(でもねぇ、英誌「エコノミスト」が世界各都市の暮らしやすさを、医療サービス・治安・文化・環境・教育・インフラ整備の5項目について調査し、ランク付けした結果は、日本では大阪がトップで世界では13位にランクされているしなぁ。)

このランキングから、人口の多さや街の開発度が、必ずしも住民の幸せには繋がっていないことが解りますね。また北海道、京都、沖縄などの人気観光地が、上記の部門テーマから見ると評価が低いというのも意外ではありますが、これはもう、暮らしの中の幸せと、訪ねてみたい魅力との違いでしょう。

以下が、ランキング・データ。あなたの田舎暮らしの候補地は、何位に入っていますか?

全国都道府県別「幸福度」ランキング・データ

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・総合ランキングの第1位は、福井県!未婚率が低く出生率が高いこと、障害者の雇用率や正社員比率も高く、犯罪が少ない。
・第2位は、富山県。自然環境に恵まれ、趣味や娯楽に費やす時間が長い。
・第3位は、石川県。失業者が少なく、弱者向けの政策が行き届いている。

4位=鳥取県、5位=佐賀県、6位=熊本県、7位=長野県、8位=島根県、9位=三重県、10位=新潟県……、38位=東京都、39位=福岡県、40位=青森県、41位=沖縄県、42位=京都府、43位=北海道、44位=埼玉県、45位=兵庫県、46位=高知県、47位=大阪府。

今回の調査結果が、全てを言い当てているとは思いません。しかし都道府県の魅力の評価を、従来の生産量・経済力から「幸せ」という軸を持つべきであると提案してくれています。

ブータンではGNHで計測できない項目の代表例として、心理的幸福が挙げられています。正の感情(寛容/満足/慈愛)、負の感情(怒り/不満/嫉妬)を心に抱いた頻度を地域別に聞き、国民の感情を示す地図を作られる。つまり、どの地域のどんな立場の人が怒っているか、慈愛に満ちているのか、一目でわかるというわけです。この王国は、アンケートにも心配りがある。
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