ひらがなの画数はどう数えればいい?
Q:名づけの本を見ますと、ひらがなの「ま」の字などが3画になっていたり4画になっていたりしますが、ひらがなの画数はどのように数えればいいのでしょうか?
名づけと占いは別のもの
姓名判断の名づけは、占いに従った名づけということ
ご質問に対してはいろいろな説明方法がありますが、まず画数の決め方は占いの流派による、ということです。氏名の文字の画数を使う占いを姓名判断と呼びますが、これにも多くの流派があり、文字の画数の決め方もちがいます。つまりご質問の内容は名づけと言うよりは占いの話なのです。占いに従って名づけをすることもご自由ですが、その場合は適当に一つの流派を選んで信じるしかありません。
ところで私たちは字の画数というと、書く時にボールペンを紙に当てる回数だと考えます。そう考えると「ま」の字は3画になります。ところが占いの世界には明治時代に作られた古い流派もあります。その時代はボールペンなど無く、手紙や日記は筆を使って行書で書く人が多かったので、一行をほぼ一筆で書いてしまい、一つ一つの文字の画数が決めにくかったのです。それで「ま」の字は4回力を入れて書くから4画だ、という風な決め方をされたわけです。
「名づけ」というタイトルの本やサイトも、実際は占いの話が書いてあることも多く、字の画数の決め方はまちまちです。しかし占いにどの流派が正しいか、という答はありません。
そもそも文字に画数など無い
もっと基本的な話に戻りますと、ひらがなに限らず、そもそも文字というものには画数は無いのです。画数は人間がいろいろな決め方をしているだけで、文字自体が不変の画数をもっているわけではありません。こう言うと驚く方も多いでしょう。「辞典に漢字の画数が書いてあるじゃないの」と。でも実は辞典を作るために画数が決められたので、漢字に決まった画数があるから辞典にのせたのではありません。話が逆なのです。ですから「堅」「與」「偉」「紫」など、辞典によって画数の決め方のちがう字もあります。漢字はもともと絵から変化したもので、絵に画数などありません。その絵は金文、篆書、隷書、草書、行書などいろいろな字体に変化しましたが、これらの字体にも決まった画数などありません。のちに楷書という字体が生まれてから、画数という考えが生じたのです。楷書はすべての字が同じ大きさなので文章を書くのに便利だったために広まり、やがて楷書体で画数を決めて辞典が作られるようになりました。今の私たちは楷書しか習っていないので、漢字に決まった画数があり、楷書を崩したのが行書や草書だと思っていますが、行書や草書のほうがずっと歴史は古く、楷書は最後に生まれた特殊な字体だったのです。
ちなみに、ご自分やお子さんの名前を「字画が悪い」「変えられないか」と言われる方もいますが、そもそも文字に決まった画数というのはありませんから、字画のいい氏名や悪い氏名が世の中に実在するわけではないのです。占いをした時、しかも流派を決めた時だけ、字画がいい悪いという分類が出るのです。