前回は海外と日本のスマートシティ観の違いについてお話しましたが、ここで日本で行われているスマートシティ像をイメージしていただきやすいよう、今回は、日本でもいくつか先行して始まっている住宅メーカー等のスマートハウス事例をご紹介します。

分譲住宅として登場してきた「スマートシティ」

模型

パナホームのスマートシティ街並み模型

パナホームは、2012年2月販売開始の「スマートシティ堺・初芝」に続き、6月販売開始の「潮芦屋」と、関西2か所で「パナホーム スマートシティ」の展開について公表しました。

同社やパナソニックなど9社が神奈川県藤沢市とともに取り組む環境配慮型の街づくり事業「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン」構想をフラッグシップに、50~100戸規模の戸建分譲住宅に適用した形のもの。世代を超えてエコで快適なくらしを実現する「街まるごと事業」と位置付け、街の建物全体でCO2の排出量がゼロとなる「ネットゼロエネルギー」を実現するといいます。

カサートテラ

街をつくるスマートハウスのベースは地球環境を考えた「カサート・テラ」

街をつくるスマートハウスは、CO2±0(ゼロ)の住まい「カサート・テラ」をベースに、パナソニックの創エネ・蓄エネ技術を組み込んでおり、家庭内のエネルギー管理にはHEMSを使用しています。

HEMSは、太陽電池モジュールと蓄電池のパワーコンディショナー機能を一体化させ、創エネと蓄エネを連携させる「パワーステーション」と、家全体のエネルギー使用量や発電・売電状態を「見える化するモニタ」で構成。

暮らし方により「経済優先モード」「環境優先モード」「蓄電優先モード」が選択可能で、「経済優先モード」では、電気料金が安い夜間電力を購入して蓄電し、料金の高い時間帯に放電して使うことで、ピーク電力を抑制。 「環境優先モード」では、昼間に太陽光発電システムでつくった電気の余剰分を蓄電し夜間に使用することで、自然エネルギーを最大活用したモード。「蓄電優先モード」は災害時に備え、常に蓄電池が満充電状態になるよう作動します。

潮芦屋

パナホームのスマートシティ潮芦屋

会見でパナホームの藤井康照社長は、「住まいの専門メーカーとして、住んでいる人のことを第一に考えたうえでハード・ソフト両面でCO2削減に取り組み、住宅メーカーだからできるエコアイディアの住まいとスマートシティをつくっていきたい」と強調。ハードだけではなく、空間設計やくらしサポートなどソフトの面も重視し、住宅メーカーとしての独自性を出していくことを目指すとしています。

街区全体でCO2100%削減めざす

一方、大和ハウスが進めているのが「晴美台エコモデルタウン」。これは、堺市が小学校の跡地で進める「エコモデルタウン創出事業」で実施した公募型プロポーザル方式の事業提案で、大和ハウスが優先交渉権を獲得したもの。

イメージ図

「晴美台エコモデルタウン」イメージ図(報道資料より)

住宅の年間光熱費を一般的な住宅と比べて差し引きゼロにするとともに、CO2排出量を街区全体で100%削減する「ネットゼロエネルギータウン」を目指しています。

2012年秋頃に販売を始め、2013年春~夏の入居開始を予定。電気自動車の充電用コンセントも全戸に1台分装備。また、太陽光発電だけでなく、コージェネレーションシステムの「エネファーム」「エコウィル」、高効率給湯器の「エコジョーズ」「エコキュート」を標準採用するとしています。