食と健康/健康レストラン・食ニュース (関西)

大阪市が産学官で取り組む「抗疲労食プロジェクト」(2ページ目)

忙しい現代は、老若男女から子どもまで疲れを感じる人の比率が高い傾向にあります。疲労を癒すためには、生活全体の改善も必要なのですが、今回は「食」で何ができるのか、産学官で取り組んでいる大阪市のプロジェクトをご紹介します。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

疲労の予防・改善に役立つ「抗疲労食」とは?

抗疲労食

『毎日の食事が疲れに効く!  抗疲労食』
(発行/株式会社オフィス・エル)
定価/(本体1,400円+税)

ここでは、疲労研究のパイオニアとプロの料理人による『毎日の食事が疲れに効く!  抗疲労食』という書籍を参考に、「抗疲労」にはどのような栄養成分が役立つのか、またそれらを含む食品についてご紹介します。

私たちが生きるためにはエネルギーが必要ですが、ストレスや運動などによって大量に酸素を使うと、細胞やタンパク質を傷つける活性酸素が発生し、細胞の機能低下がエネルギーを十分に作れない状態となり疲れにつながると、考えられています。

そこで、疲れを解消するためには、活性酸素の発生を抑え、エネルギー源となる食べ物や、代謝に必要な栄養素をとることがポイントとなります。

特に近年抗疲労研究の分野で注目されているのは、イミダゾールジペプチドで抗酸化作用があり、渡り鳥が長時間飛び続けるパワーの源と考えられています。

鶏胸肉,イダゾールジペプチド

鶏胸肉に含まれる抗酸化作用のあるイダゾールジペプチドは、「抗疲労」に役立つ成分として注目されています。

イミダゾールジペプチドは、飛ばなくなった鶏の胸筋肉にも多く含まれる他、鶏ささみ肉や、豚肉、マグロ、サケ、イワシ、カツオなどにも含まれています。

またラム肉やカツオに含まれるL-カルニチン、ジャガイモやトマトなどに含まれるα-リポ酸、イワシやホウレンソウに含まれるCoQ10なども抗酸化作用があります。

他にも、アミノ酸のトリプトファンやチロシン、炭水化物や脂質、タンパク質などのエネルギー源となる栄養素、代謝に必要なビタミンB群を始め、各種ビタミンやミネラルも、疲労の予防・回復には必要です。

「抗疲労食」としておすすめの食材と抗疲労に役立つ栄養成分のごく一部をご紹介します。
抗疲労,undefined食材

 

ご紹介した食材はほんの一部ですが、こうしてみると、幅広い食品が「抗疲労」に役立つということがわかります。一つの特定の栄養素だけをとればよいというものではなく、栄養成分はお互いに助け合い、影響し合って働くので、様々な栄養成分を組み合わせてバランスよくとること、そして毎日の積み重ねていくことが重要です。

また人間は五感を通じて癒されますから、ただ口に入れればよいのではなく、彩りや香り、食感など、食事をおいしく楽しく食べられるように配慮するのもより効果的なのだそうです。

『毎日の食事が疲れに効く! 抗疲労食』では、「朝の活動を良くしたい」「集中して考えたい」「気持よく眠りたい」「からだのだるさをとりたい」など、目的別にレシピが紹介されているのも、興味深いところです。疲労の予防・改善に興味がある方は、参考になさってはいかがでしょうか。


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