家計簿を確実につけるためのヒント
というわけで、私がお薦めする家計簿のつけかたは以下のとおりです。(1)端数合わせはしない(数字は丸めてもいい)……よほど厳密にやりたい趣味がなければ、家計簿は100円単位でいいと思います。なぜなら、やらないよりざっくりでも家計簿をつけるほうが何倍も価値があるからです。1日あたりのズレが100円以下であれば、1カ月の誤差は3000円にとどまります。実際には使途不明金はもっと多いことが多いので、誤差に気にするより、「すべての項目を入力する」ことのほうが意味があるわけです。端数を丸める場合は、その代わりに使った買い物は缶ジュース一本に至るまですべてつけることが必要です。
(2)電卓はたたかない(スマホアプリやエクセルを使う)……紙に記入して小項目や大項目ごとに何度も電卓をたたいて検算するような苦労は、まったくのムダだと思います。再計算に時間を使ったところで、お金が戻ってくるわけではないからです。そんな手間は、スマホのアプリやエクセルに作業させればいいのです。究極的にはレシートをカメラで撮影したら自動入力するくらいにしたいところですが(そういうアプリもある)、まずは計算の自動化だけでも実現するべきです。つまり、「紙」から「データ」へ家計簿を切り替えるということです。
(3)空き時間に入力はさくっと行う……スマホアプリで家計簿をつけるよい点は、「空き時間の活用」が簡単ということです。スマホは一日中持ち歩くものですから、いつでも入力が可能です。このメリットは最大限に生かすべきです。それこそ、出勤時間、トイレタイム、帰宅時間など、twitterやFacebookに使う時間を少し分けて、「前回入力以降使った買い物を入力」する習慣をつけます。帰宅時に「朝から夕方まで」、出勤時に「昨夜から朝まで」の入力をすれば、半日分だけの入力ですみますから、入力漏れもほとんどおこりません。夜にまとめて、のようなルールにしばられる必要なんてないわけです。
(4)項目はシンプルに……スマホアプリによっては、大項目や小項目があって、入力の手間に苦労するものがあります。手間がかかるから入力しないくらいなら、手間がかからない入力にしてしまえばいいわけです。実際問題として、微細な項目があってもあまり意味はありません。初期設定画面でどんどん細かい項目は削除してしまうといいでしょう。「食費(外食か家かで分けてもいい)、飲み代、書籍代、趣味・交際費、被服費、日用品、臨時出費」くらいでいいのです。10を超えず、すぐに決定できるくらいで「とにかく入力する」ということが大切です。
家計簿の発想転換で自分がステップアップする!
発想を転換して、家計簿を負担にしない工夫をいくつか紹介してみました。マネーに関しては、理屈より実行が大事なのですが、自分の家計を把握することは一度やっておきたいテーマのひとつです。「ラフな入力でも1カ月続けた家計簿」は「正確を期して3日坊主になった家計簿」より何十倍も価値があります。
ぜひぜひ、ラクする家計簿の発想を、役立ててみてください!