ジャパニーズモダンの名作家具
1950年代以降のミッドセンチュリーと呼ばれる時代に天童木工は「商工省工芸指導所」の紹介で、さまざまなデザイナーと出会います。その中から、いくつもの名作家具が生まれ、今なお、ロングセラーとして人気があります。天童木工のクラシックシリーズです。柳宗理デザインのバタフライスツール。蝶の羽のようなデザインだが、急角度の部分は、作成が難しく職人の努力のたまもの。(画像:天童木工)
実はこの椅子、製作図面はなく、柳氏からプラスチックの模型を渡され、この形を実現してくれと頼まれたもの。その模型から、天童木工は図面を起こし、幾度と試作を重ねたそう。このスツールの最大の難関は、座面と脚の部分の急カーブ。木材をこんなにきつい角度で曲げるのは、いくら自由度の高い成形合板でも至難の業なのです。職人たちの研究心とたゆまない努力によって、ようやく実現したデザインと言えるでしょう。
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