柳宗理氏のバタフライスツールをはじめとした多数の有名デザイナーとコラボした名作椅子が世界各地の美術館に収蔵されている天童木工。木を自由に曲げて形作る成形合板のトップメーカーとして知られています。その天童木工の家具の魅力をお伝えします。

成形合板のパイオニア
天童木工 

世界が注目 日本の家具

薄く切り出した木を何枚にも貼り合わせ、熱を加えて形を作るのが成形合板。家具だけでなく身近なインテリア小物でも多くみられる製法(画像:天童木工)

天童木工は成形合板のトップメーカーとして国内外に知られています。成形合板とは、木の薄い板(単板)を接着剤で重ね合わせ、型に入れてさまざまな形状に成形します。家具だけではなく、お盆やゴミ箱などインテリア小物にも使われています。北欧の椅子などにも多く見ることができます。

 

世界が注目 日本の家具

1954年。天童木工の初期の作品で、水之江忠臣氏のデザインによるS-0507シリーズ。座と背にナラ材を使い、シンプルで無駄のないフォルムは、今でも美しい。60年続くロングセラー。(画像:天童木工)

天童木工の、成形合板のパイオニアとしてのスタートは第二次世界大戦後直ぐのこと。軍需のための弾薬箱作りが主だった工場が、当時仙台にあった国の機関「商工省工芸指導所」の指導のもとに、成形合板の研究を進めたのが始まりだそう。

 


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剣持 勇氏デザインのS-3048MP-ST。三次元の曲面の背~座は、一枚の成形合板から作られ、成形合板ならではのデザイン。(画像:天童木工)

成形合板は、薄い一枚の木を曲げて形をつくるため、強度を持ち且つ無垢材では表現できない曲面を作ることができます。木製であってもデザインの自由度が高いことが、デザイナーにとって大きな魅力です。

さらに、木の板を曲げる型さえあれば、同じ商品の大量生産が容易なことも大きなメリット。日本の復興時期に建設された、大型施設での家具の需要に応えたというのも天童木工を育てた要因でしょう。

「成形合板なら天童木工」と一目置かれるようになり、数々のデザイナーとの作品を世の中に発表していくことになります。

次ページは天童木工の代表的な家具をご紹介しましょう。
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