画質は超解像が効いて大健闘
画質は1/2.33型と小型のイメージセンサを搭載しているわりにはかなり健闘している。特にISO100ではかなりきれいに感じた。いわゆる「塗り絵」的な描写が少ない。たとえば実写画像のミツバチの画像は等倍で見ると体毛や翅脈までしっかりと解像している。超解像機能がうまく動作しているという印象だ。また、おまかせiAもかなり的確に働いてくれる。逆光のシーン、たとえば実写画像の夏蜜柑の画像でもすっと露出補正を自動で働かせてくれる。この画像でもマニュアルの露出補正はしていない。
これまで筆者はこういった「おまかせモード」には頼ってこなかったのだが、この世代の画像エンジンはどれもかなり優秀になっており、フルオートで撮影しても相当に信頼性が高くなっている。一般的なユーザーにとっては嬉しいことこの上ない状況だ。
ISO1600の画像から切り出し。そこそこディテールが残っている。
通常モードではISO800あたりが普通に画像として使える限界。ISO1600はそれなりに見られるが縮小を前提にしたいといったところだ。ISO3200でもわりとディテールは残っているが、ノイズで毛羽立ったような感じになり「縮小でも厳しいかなぁ……」というのが実際だ。
60pのプログレッシブ動画撮影にも対応
また、パナソニックのコンパクトデジタルカメラとしては2012年4月現在で現在のところ唯一、フルHD/60pに対応したムービーが撮影できる。プログレッシブモードに対応したことで、かなりの高画質化を実現している。AVCHD規格で圧縮されているので、メモリーカードの節約にも役立ってくれている。ただし、PCでこの動画データをいじるのは相当なスペックが必要となる。動画再生だけであればビデオカードの再生支援機能があればなんとかなるが……。基本的にはminiHDMIで本体と薄型テレビを接続して再生するのがいいだろう。なお、やや軽めのMP4(30fps)でも動画撮影は可能だ。
バッテリーライフはそこそこ、USBでの充電可
CIPA準拠のバッテリーライフは約260枚。まあ、1日をハードに撮影しても予備バッテリーは必要ない……といったところだろう。USBからの充電も可能で、モバイルブースターによる充電も可能だった。ただし、microUSBのように一般的なコネクタではなく、AV/USB兼用の独自形式のコネクタとなっている。そのあたりのコイン式充電台では充電不可能なのが残念だ。
なんでもできるものの、やや大きめなのが玉に瑕
GPSやナビゲーション機能から「旅行デジカメ」とされているDMC-TZ30だが、基本的にはなんでもできるというのが実際のところだ。特に好感したのが、オートフォーカスや撮影間隔といった全体の動作がサクサクとしているところ。シャッターチャンスを逃さずに撮影できる心地のよいデジタルカメラである。ただ、104.9(W)×58.9(H)×28.2(D)mmと「絶対的なサイズ」としては決して小さくはない。20倍ズームレンズを搭載しているということを考えれば、相対的にはかなり小型ではあるのだが……
バッグの中に入れる荷物のひとつとしてどのくらいが許容範囲であるかということを考慮すると、なかなか女性の日常撮影には勧めにくいというのは実際のところだろうか。
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