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それでも「インデックス運用」を支持する私の理由(2ページ目)

最近アクティブな運用方法が流行です。インデックス投資を好み銘柄選びをしない者、ガツガツお金を増やす努力をしない者は愚か者だと批判されます。しかし、それでもインデックス運用でOKだと私は思います。なぜなら……。

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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インデックス運用批判は、大衆車批判のような無意味さがある

インデックス派を否定するアクティブ派の主張を例えるならば、制限速度で道路を走って、無理せず目標通りに4時間のドライブで目的地に着いたI氏に、爆速で飛ばした友人A氏が「オレは3時間で到着したよ。お前は遅すぎだ」と言うようなものです。こちらは何も悪いことをしていないのに、否定されるイメージです。

あるいは、燃費もいいし税金も安いので軽自動車を好んで乗っているI氏に、エグゾーストノートを鳴らして高級車に乗って現れたA氏が「こっちのほうが最高速度は速いし、格好いいぜ。軽なんて女の乗る車だよ」と余計なことを言うイメージです(燃費が悪いこと、税金が高いこと、価格が高いことはあまり言わない)。

筆者はスズキのアルトラパンを愛車としており、軽自動車が大好きなのですが、ときどき上記のようなことを言われて腹が立ちます。どちらも確かに同じ車ですが、乗り方や好みは人それぞれでいいはずです。要するにA氏の意見は「余計なお世話」なのです。(もちろんI氏はインデックス派、A氏はアクティブ派の例えです)

インデックス運用の側からすると、「好きな人は好きなだけアクティブな運用をやってればいいのであって、別にインデックスを否定しなくてもいいじゃないですか」という感じがします。別にアクティブにお金を増やしたいのであれば、インデックス派を無視して黙々とアクティブに運用していけばいいと思うのです。また、アクティブな運用をただPRすればそれに賛同する人もきっとたくさんいると思います。

もしかすると、「アクティブ派の仲間を増やすことが彼らのビジネス」の一部であるため、ことさらインデックス運用を批判するのかもしれません。アクティブ運用のアプローチをより優れたものだと述べるための仮想敵というわけです。まあ確かに、自分たちの運用手法に自信があって、インデックスより高い成績をあげようとしているわけですから、インデックスを下に見なければならないのでしょうが、インデックス投資家まで下に見る必要はないのではないかと思うのです。

両者は運用のアプローチが違うので、結果だけで比較するべきでもありません。先の例でいえば、3時間で早く目的地に着いたが、実は一回事故になりかけてひやっとしたA氏の運転方法と、安全運転で4時間で到着するI氏の運転のどちらがいいかは優劣を述べても仕方がないはずです。私はI氏のアプローチでドライブをしたいと思いますが、それでもA氏のような運転をしたい人の存在まで否定はしません(法定速度の遵守と、事故らないことは期待しますが)。運用においては、どれだけのリスクを取ったか、も評価しなければなりません。仮に期待リターンが高まるとしても、過剰なリスクテイクになる投資行動を望まない投資家もいるはずです。

結論としていえば、「インデックス派もアクティブ派も、どちらを取るかは個人の自由」ということだと思います。

インデックス投資家も、市場と向き合わなければならない

ただし、午堂さんのコラムを読んでなるほどと思ったことがあります。インデックス運用だからと投資判断そのものを放棄しているような投資家が愚かであり、市場のリスクと向き合おうとしないのは良くないという指摘はそのとおりです。インデックス運用であっても、価格の値動きはしっかり受け止めなければなりません。元本割れしているのを「インデックスの積立だから」「勉強だから」と言い訳するのも良くないことです。

また、利益確定のあり方についてしっかり考えることも必要です。インデックス投資派は主にリバランスの発想で利益確定すると思いますが(リバランスについてはまた機会を改めます)、ほったらかしをしていいというわけではありません。

そして、午堂さんが一番指摘したいことだと思うのですが「そもそも投資をしていない無関心な人が圧倒的に過ぎる。彼らは愚かである」ということについては私も同感です。午堂さんは、ニューリッチのアプローチをもっと多くの人が活用するべきだと提案しています。

私は7000~8000万人(現役世代のすべて)が投資をするべきだという前提にたち、彼らが午堂さんのような運用をすることは不可能だと考えるがゆえに、誰でもできるインデックス派のアプローチをすすめます

8000万人の個人投資家が本当に日本に誕生して、仕事をしつつ、資産の運用も試みるようになれば、日本人の家庭経済には大きな変化が生じることでしょう。また、日本の経済や株式市場にも大きな変革を促すことは間違いありません。

一人でも多くの人が、資産運用に向き合うきっかけとして、自分はアクティブに運用するのか、それともインデックスな運用をするのか、考えてみてはどうでしょうか。もちろん、スタートした後に、方針を変更してもいいでしょう。

どちらがいいと思うかは、あなた次第です。あなたはどちらを選びますか?
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