不妊症/全国の不妊治療の病院・クリニック・治療院

神谷レディースクリニック訪問記(札幌)2012

このたび、新しく移転・新築された神谷レディースクリニックの取材をさせて頂きました。神谷先生には今までも事あるごとに色々と取材をさせて頂いており、今回も快くOKを出して頂きました。

執筆者:池上 文尋

このたび、新しく移転・新築された神谷レディースクリニックの取材をさせて頂きました。神谷先生には今までも事あるごとに色々と取材をさせて頂いており、今回も快くOKを出して頂きました。
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院内の表示です。


以前のクリニックも街の中心にあり、交通の便では申し分のないところでしたが、今回の移転はどんな意図があるのだろう?そんな疑問を持ちながら、クリニックへ伺いました。

安藤医事部門長の院内案内

訪問した日は日曜日にも関わらず、院長や医事部門長は出勤されており、様々な仕事をこなされております。私が伺った時も院長先生は戦略会議中で、その間、安藤医事部門長に院内を案内して頂きました。

2階フロアー:一般の患者さん、初診の患者さんを診察するスペースになっています。広くて過ごしやすい空間になっています。北海道を代表する彫刻家「安田侃氏」の作品が目を惹きます。
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院長お気に入りの安田氏のオブジェ。


入口には診察の受付機と支払い機が並んでおり、患者さんがスムーズに受付・会計処理できるようになっています。受付機はよく見ますが、会計機まであるのには驚きました。

また、窓際にはパソコン(デジタルサイネージ)がずらりと置いてあり、不妊治療の様々な情報を見ることが可能です。近い将来、問診もこのサイネージを使って行うとのことです。

診察室は4診まであります。今はドクター3人体制ですが、4月から5人体制になるからです。窓際にずらりと並んだパソコンは中待合の方々にも使って頂くための配慮です。
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至るところにデジタルサイネージ。


診察室の中側を見せて頂きましたが、スタッフが動く動線と診察室外の患者さんが歩く動線がきちんと分かれていて、動きやすいような工夫になっているところが印象的でした。また、内診室の更衣室を増やすことにより、ドクターの診察時間にタイムロスがないように設計したとのことです。

内診台も自分の検査の様子がわかるようにちょうど目の前に画面を設置されており、ストレスなく自分の状況が確認できるようになっています。

また、男性の方の採精室は別入口で、女性患者さんとの導線を分け、男性が受診するにあたり、プライバシーへの配慮をした構造になっています。
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男性専用ルームです。


3階フロアー:こちらは院内の階段を上がって、ART(高度生殖医療)を受診される方のスペースとなっています。こちらにも安田氏の大きなモニュメントがあり、存在感を示しています。

3階の雰囲気はラグジュアリーな感じになっており、ゆったりと落ち着いて治療をしていこうという気分になります。こちらにもパソコンがあり、様々な情報を見ることが出来ます。また、3階にも広めの診察室が一つあります。
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シックな感じの三階待合室です。


体外受精用の採卵室と胚移植室が分かれているのが特徴的です。安静室も広く確保されており、ゆっくりと休んで頂ける環境になっています。

今回、セキュリティの関係で培養室を拝見することは出来ませんでしたが、次回訪問時にはじっくりと拝見出来ればと思っております。

安藤医事部門長への質問

1)貴院ではART(高度生殖医療)と一般不妊治療の患者数の比率はどのようになっていますか?

はい、比率はほぼ50:50です。一般不妊の方もARTの方も多数受診して頂いております。よって、フロアーを分けたということもあります。

2)クリニックの玄関を入ってまず目に付くのが自動受付機と自動支払機です。病院ではよく見かけるのですが、クリニックに導入した意図を教えてください。
kamiya

自動受付機です。


実を言うと以前の場所でもそうでしたが、患者さんの数が多すぎて、受付部分での作業が増えて、それだけで一日が過ぎていくような感じでした。そこで大事な受診受付とお金のトラブルになる会計の部分を工夫することにより、スタッフの業務の効率化を図り、なによりも患者さんにより快適でスムーズな受付・会計が提供できると考えたのです。

この機械が導入された事により、受付の人数も少なくて済み、他の院内業務に取り組めるようになりました。
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自動支払い機です。


3)今回、予約システムを導入されたとのことですが、その意図を教えてください。

当院は患者さんが全道から長い時間をかけて来られます。診療の時間を短縮し、患者さんの貴重なお時間をどのように有効に使うことが出来るのかを我々は考えております。

そこで、予約システムにより、患者さんのお時間を把握し、院内の様子をリアルタイムに理解できるような情報配信システムを導入し、患者さんのお時間を無駄にしないような工夫をしております。

4)今回から院内に大きなセミナールームを設置されたそうですが、どんな事に使われるのですか?
kamiya

セミナールームです。


新しいセミナールームではARTを受診されるご夫婦に様々な基礎知識を知って頂く機会、ART教室を実施しております。1回35組(70名)のご夫婦に来て頂けるようになっています。

内容としては治療の説明をドクターから、卵と精子や培養の説明を胚培養士から、治療の流れをナースから、料金体制や助成金の話を医事部担当から話をさせて頂きます。時間として約2時間の内容となっています。

5)北海道は経済的に厳しい地域だと思いますが、ARTについて二の足を踏まれる方が多いのではないですか?

そうですね、経済的な問題は常につきまといます。しかしながら、ARTに関して、1年目は3回まで半分助成金が出ますので、3回は頑張ろうという方が多いですね。当院は北海道で最も助成金申請の多い不妊専門クリニックです。受診されている約3分の1の方が補助金申請をされている状況です。

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