人物撮影に便利な中望遠レンズ

中望遠レンズというカテゴリーがあります。微妙にふわっとした言葉で、とらえどころがないような感じがするかもしれません。それもそのはず、実際の定義もかなりふわっとしているものなのです。

中望遠と呼ばれるレンズの焦点距離は70mm~135mm程度。標準レンズである50mmよりも上で、150mmよりも下のレンズが「中望遠」といったところ。この数字は35mm換算なので、APS-Cやマイクロフォーサーズ機では以下のようになります。

マイクロフォーサーズ 35-67mm
APS-C(ソニー・ペンタックス・ニコン) 46-90mm
APS-C(キヤノン) 43-84mm
フルサイズ 70-135mm

SEL50F18

75mm相当の中望遠レンズとして使えるNEXシリーズ用のSEL50F18。安価ながらも描写力は高い。

さて、それでも「中望遠」というカテゴリがふんわりとしながらも存在するのは、中望遠が得意とする用途が存在しているからです。

そのジャンルこそがポートレート。すなわち、人物撮影に向いているレンズが「中望遠」なのです。

おおよそで70mmを超えるとパースペクティブ(広角レンズで多く生じる歪みのこと。関連コンテンツ:広角レンズの役割と特徴とは?)が目立たず、すっきりとした描写となります。

その一方で、望遠レンズの特性として背景のボケ味が大きくなってきます。
ボケ味と焦点距離の関係性については「ちょっとしたプロ気分が味わえる? 被写界深度とは?」を参照してください。
ポートレート画像例

このように中望遠レンズでは背景がきれいにボケてくれるので被写体の人物に集中した描写ができる。


上の画像のように女性を撮影するだけでなく、子供(そしてペット)を撮影するにも中望遠レンズはオススメのレンズです。少なくともキットレンズの標準ズームとは桁違いに気持ちのいい描写ができるようになるはずです。

さて、より数字の大きな望遠レンズのほうがボケは大きくなるものの、200mmを超えるような超望遠レンズでは背景ボケのもうひとつの大きな要素となる明るさをキープすることが難しくなってきます。

F1.4やF1.8といった明るいレンズは中望遠以上で作るのは、物理的になかなか難しいのです。レンズの明るさと、望遠レンズとしてのバランスが取れているのが中望遠レンズといってもよいでしょう。


人物撮影のコツはコミュニケーションすること!

もうひとつ、中望遠の大きな特徴は「被写体と話せる距離で撮影できる」ことが挙げられます。被写体が人物である場合、コミュニケーションすることでリラックスさせたり、ポーズをとってもらうことが重要になります。中望遠レンズはコミュニケーションが可能な距離ギリギリで撮影できる望遠レンズともいえるのです。

次のページでは、いまおすすめの中望遠レンズをご紹介します。