今回のトップは株式会社ファーム・アンド・ファーム・カンパニーの藤井大介社長です。農業を通した地域の活性化のために経営相談事業、農業事業、そして飲食業事業(下野農園)、商品開発事業を行う総合的な農業支援会社のトップ。地域と農業を切り離すことができない場所で、藤井氏はどんなことを考えて会社の舵取りをしているのでしょうか。
【起業に至るまで】農業を通して地域の活性化をしたいと思いました
株式会社ファーム・アンド・ファームの藤井社長。
藤井社長:そうですね。僕は航空宇宙工学の道に進んで航空機の設計などをやっていました。アメリカで学んだ後に日本の企業でも設計に携わっていましたが、もっとどっぷり研究をやりたいなと思って本田技研に就職しました。そのうちに自分でプロジェクトを動かすようになって、今度は経営も勉強したいと思って中小企業診断士の資格をとったのです。
経営について勉強している中で、だんだん社会貢献をしたいなという気持ちがわいてきました。社会貢献にはいろいろありますけど、僕の場合は地域の活性化だったのです。その中でも農業だと思いました。やはり、栃木県でも農業は産業としてとても重要で、地域と農業を切り離して考えることはできないと思ったからです。
【地域の活性化とは】お金が生まれないのであれば、活性化にならないと思います
ガイド:農業を通して活性化をするとき、一番大切なことは何だと思いますか?藤井社長:地域の活性化においては、地域にビジネスをつくるのがとても重要なポイントです。いかにお金を生み出すかです。だから、いかにしてその地域にある資源を使った商品をつくるか、付加価値をつけてブランド化するか、流通に乗せるかがとても大事な部分なのです。そもそも、お金が生まれないのであれば、それは活性化にならないと思います。農業をするにしても、儲かる農業をしないと地域の活性化は難しいでしょうね。
【「儲かる農業」をつくる】「農業事業」として行わなければなりません
ガイド:「儲かる農業」をつくるために、どんなことをしているのですか?藤井社長:儲かる農業をつくるためには、しっかりとした「農業事業」を行わなければなりません。事業計画の作成、資金繰り、融資、そしてマーケティングや商品開発などしっかり考えたうえで事業は成り立ちます。そのための支援をしているのが、経営相談事業です。食と農に関しては、アグリツアーや市民農園・観光農園などを企画したり、地域のまちおこしのイベントを開催しています。また実際に野菜を食べていただいたり、食と農の情報を発信しているいのが飲食業事業の下野農園です。結局のところ、それぞれの事業が単独で成り立ているのではなくて、うまく絡みあって相乗効果が出るような仕組みが必要で、その仕組みをつくって提供していくのが、僕達の役目なのです。