カーナビ連携で航続距離への不安をサポート
「日産自動車としては、リーフの企画を立ち上げてから、電気自動車には電気自動車にふさわしいカーナビが必要であるというコンセプトのもと、さまざまなサプライヤーさんと、どんなソリューションが作れるのかという話を進めてきました。そんな活動の中で、クラリオンの提案が最も当社のコンセプトを実現できる可能性がある、ということでクラリオンのカーナビを採用したわけです」とは、日産自動車IT&ITS開発部の小畑さんだ。そのコンセプトとは「お客さまの航続可能距離に対する不安をサポートする、充電に対するサポートをする」こと。航続可能距離に対する不安には、地図上に表示する現在地を中心とした同心円で対処している。
「この同心円は、航続可能距離を示しています。外側の円は単純に航続可能距離を半径にして表示したもので、ぱっと見たときのわかりやすさを重視しています。しかし、道路は直線ではありませんし、渋滞や勾配、エアコンの使用などでも航続可能距離は変わりますから、そのあたりを踏まえた上で、この範囲なら大丈夫というエリアを、内側の同心円で示しています」
サーバー連携で、よりインテリジェンスな情報提供を模索
確かに、走行中にエアコンをオン/オフすると、航続可能距離は変わり、それにともなって同心円も変わる。しかしこれがあれば、無充電で行ける範囲がある程度わかるので、安心感があるのは間違いない。さらに現状では、この計算はバッテリー残量を元にナビ側で計算しているのだそうだ。1年先になるか2年先になるかはわからないが、今後はより精度の高い情報提供を目指しているという。「今のEV-ITではバッテリー残量を元にナビ側で単純な距離計算しているだけですが、今後は渋滞や道路勾配なども反映して、より高度なサポートを実現していきたいと考えています。そのためには、渋滞情報を集約するセンターのサーバーで計算をするとか、センターから情報を落としてカーナビで計算するとか、さまざまな方法が考えられますから、より良い方法を検討している最中です。よりインテリジェンスな計算ができないか。今後の進化の方向性はまさにここで、このような機能はスピード感が勝負ですので、できる限り開発を早めたいのですが、サーバー連携は規模が大きくなりますから、どこまで早められるか。期待していてください」