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社会保障と税の一体改革で私たちの生活はどう変わる?

私たちの将来の生活に大きな影響を与える、社会保障と税の一体改革の議論が活発になってきました。あらためて、その内容を確認するとともに、私たちのライフプランやマネープランへの影響について、考えてみましょう。

平野 泰嗣

執筆者:平野 泰嗣

ふたりで学ぶマネー術ガイド

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社会保障と税の一体改革で家計への影響はどのくらい?

社会保障と税の一体改革で家計への影響はどのくらい?

平成24年2月17日「社会保障・税一体改革大綱」が閣議決定されました。この大綱をベースに今後、与野党の協議、法案化が検討される予定になっており、社会保障と税の一体改革の議論が活発になることが予想されます。

国民不在の議論にならないためには、私たち自身も改革案の背景、そしてその内容、私たちの生活への影響などの全体像を理解した上で、議論に参加していかなければなりません。そこで、今回は、「社会保障・税一体改革大綱」について解説します。

【記事のインデックス】
今、なぜ、社会保障と税の一体改革が必要?……1P目
年金制度改革の行方は?……2P目
税制改革~消費税増税! 家計への影響は?……3P目
あらためて、社会保障と税の一体改革を考える……3P目


今、なぜ、社会保障と税の一体改革が必要?

■現行の公的年金・医療保険制度の維持が困難!?
現在の社会保障制度は、1960年代に戦後の経済成長に支えられながら、国民皆保険(医療保険)、国民皆年金といった基本的な枠組みが整いました。それから50年間が経過した今、少子高齢化による人口構造の変化や、非正規労働者の増加にともなう雇用環境の変化などによって、65歳以上のお年寄りを現役世代が支えるといった社会保障制度の構造では、制度を維持することが困難になっています。

大綱では、「半世紀前をお年寄り1人をおよそ9人の現役世代で支える「胴上げ」型の社会と例え、近年は3人で1人を支える「騎馬戦」型の社会になり、2050年には1人を1.2人で支える「肩車」型の社会になる」と記述しています。これは、日本の人口構造を端的に表した、実に上手い表現だと思います。

■社会保障の安定財源確保と財政健全化のための税制改革
社会保障を支えている、日本の財政に目を向けてみましょう。平成24年度の予算案を見ると、歳出90.3兆に対し、税収42.3兆円で、支出の半分も賄えていない状況です。また、歳出のうち、社会保障関係費は26.3兆円、国債の償還や利払いに充てる国債が21.9兆円で、それだけで税収を上回っています。少子高齢化の進展による今後の社会保障費の増加や、国の借金の増加は、ますます財政を悪化する要因となります。現在でも、危機的な状況といえるので、直ちに抜本的な改革をしなければならない、というのが実情なのです。
(関連記事):2011年以降の家計を占う、本当は怖い日本のお金の話

>>>まずは、年金制度改革の行方は?
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