岐阜の大仏

個性派の大仏を紹介する大仏めぐりガイド。愛知県編に続く岐阜県編です。名古屋から1時間足らずの場所に、意外や由緒のある大仏がひっそりと奉られているんです。

デカいのにひっそり。別名「籠大仏」は清貧の大仏様
■岐阜大仏/正法寺(しょうぼうじ) (岐阜市)

岐阜城をいただく金華山のふもとに、ひっそりと日本三大大仏のひとつが奉られています。
岐阜大仏

優しげなお顔つきに癒し効果もあり。完成から180年が経つが一度も修復をしたことがないという

岐阜大仏

小ぢんまりとしているが豪奢な雰囲気の大仏殿

正法寺(しょうぼうじ)というお寺に小さな大仏殿(ってヘンな言い方ですが)があり、その中にすっぽりと高さ13・7mの大仏様が鎮座しています。

建立は江戸末期の天保3(1832)年。国内に現存する大仏の中でも3番目に古い、歴史ある大仏様なんです。

 

岐阜大仏

断面図。ご覧のように中は空洞。周りに貼った美濃和紙には経文が書かれている

スケールや歴史は堂々たるもの。一方で非常につつましやかな存在でもあります。というのも、竹と紙と粘土を材料とし、中は空洞。その構造から「籠大仏」との異名もとっています。

この工法は乾漆造りと呼ばれ、古い仏像にはよく見られる伝統的なもの。しかし、これだけ巨大な乾漆仏は他にありません。

そして、この工法で作られた理由には、泣かせるエピソードが秘められています。

和尚さんが2代にわたって全国を回って費用を集めたのですが、それでも東大寺や鎌倉の大仏のように銅で鋳造するにはお金が足りませんでした。そこで、苦肉の策として安上がりな乾漆造りにすることに。岐阜は提灯、和紙、土の焼き物作りが盛んな土地柄だったため、これらの職人たちが匠の技術を活かし、日本一の乾漆仏を見事作り上げたのです。

岐阜大仏

壁には五百羅漢像も奉られている

そんな人々の想いが込められているからか、お顔つきも非常に優しくおだやか。すらりとした指で結ぶ印もピースサインに見えます。

スケールや歴史の割りにあまり知られていないのは、由来に見られるつつましさが現在も息づいているから。拝観料はたったの200円(これも昭和34年の伊勢湾台風による被害で大仏殿が破損し、その修理費にあてるためやむなく有料にしたのだそう)、お顔を拝む正面にはパイプいすが並べられています。
岐阜大仏

大仏殿の内側には回廊があり、大仏のお顔の高さまで上ることができる。ただし、安全性への配慮から現在は立ち入り禁止。特別に上がらせてもらって撮った貴重なショット!

東大寺、鎌倉に続く日本三大大仏の第3席の座は混沌としていて、高岡大仏、兵庫大仏、日本寺大仏など「我こそは第3の大仏」と自称するものも少なくありません。しかし、建立者や地元の人の込められた思いを知ると、この岐阜大仏を3番目に推挙したくなるではありませんか。

日本の大仏のナンバー3。こう聞くだけで一度は拝んでおかなくちゃ、という気分になりませんか?

□正法寺
・ 所在地:岐阜県岐阜市大仏町8
・ アクセス:名鉄岐阜駅から岐阜バス。岐阜講演歴史博物館前バス停下車5分
・ TEL058・264・2760
・ 時間:9時~17時
・ 休:なし
・ 参拝料:大人200円、小人100円
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