注文住宅/家づくり物語 実例を通して

間取りの耐震チェック/M邸・第6回(2ページ目)

間取りが決まったら、構造のチェックです。間取りが良くても、構造がダメでは話になりません。きちんと耐力が取れているのかチェックをしていきましょう。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド


M邸の構造をチェックする

たて方向と、よこ方向ともバランスよく配置されていることが大切です。
耐震壁の長さをチェックしてみましょう。
(赤い部分が耐震壁。たて方向、よこ方向、それぞれ長さを合計します。)

【1階】

M邸の筋かいの位置(1F)

M邸の筋かいの位置(1F)


たて方向の長さの合計 約25m
よこ方向の長さの合計 約16m



【2階】

M邸の筋かいの位置(2F)

M邸の筋かいの位置(2F)


たて方向の長さの合計 約11.0m
よこ方向の長さの合計 約9.5m


建物の中心、建物の堅さの中心

建物には2つの中心があり、1つは重さの中心である「重心」です。建物平面の中心あたりにあります。もう1つは「剛心」で、建物の堅さの中心です。これは耐力壁の多い方に片寄るので注意が必要です。重心と剛心の位置が近くにあるとバランスのよい強い建物になります。このM邸ではほぼ平面の真ん中にあります。これがずれるとねじれが起きやすいので注意が必要です。

M邸の2階は、やや開放的な間取りになっています。この離れた耐力壁の間に横から受けた水平力をうまく伝達するには、合性の高い床が必要です。床にも壁の強さと同様に床板や下地板の厚さが大切で、ここでは24mmの合板を使っています。 吹抜けや階段など、床がないところは剛性が低くなります。したがって耐力壁までの距離や吹抜けの大きさなどに配慮してプランを考えていきます。



次回、第7・8回は現場体制と工事監理、さらに施主のつぶやきなどを紹介していきます!


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