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パートの社会保険適用拡大による影響は?(2ページ目)

パートタイマーの社会保険適用拡大の議論が本格化しています。週20時間以上勤務している方について社会保険への適用を検討しているようです。社会保険に加入する=手取りの減少を意味しますので、家計への影響が懸念されます。ただ、社会保険に加入することがメリットになる方もいます。

和田 雅彦

執筆者:和田 雅彦

年金ガイド

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パートの社会保険適用拡大によって手取りはどうなるの? 

それでは適用基準が拡大され、週20時間以上となった際の手取りはどうなるのかを見ていきたいと思います。

<事例>
・週25時間勤務(1ヵ月を4週として100時間とする)
・時給850円(1ヶ月の給料が8万5000円とする)
・夫は会社員で、現在、被扶養配偶者
・40歳未満の為、介護保険料はかからない

この場合の影響は以下のとおりとなります。

240203

あくまで概算。平成24年2月現在の保険料で計算。健康保険料は東京都協会健保の率を使用し、厚生年金保険料については、保険料額表4等級と想定し計算。


表を見ると、1万円以上手取りが減ることがわかります。850円の時給で10時間以上分にも相当します。「困る!」って声が聞こえてきそうですね。

ただ、メリットもあります。
  • 健康保険……病気や怪我で会社を休み、給料が出ない場合の補償制度「傷病手当金」がある(夫の扶養の場合は「傷病手当金」はない)
  • 年金……厚生年金に加入する事で、将来、加入月数に応じた厚生年金を受け取る事ができる

自営業の妻や、独身の方はメリット大 

また、先ほどの計算は、夫の扶養に入っているケースですが、自営業の妻と言われる方や、独身で社会保険(厚生年金)に加入していない方は、国民年金の第3号被保険者ではないため、国民年金に加入している事になります(第1号被保険者)。

平成23年度の国民年金の保険料は1万5020円/月です。これが、上の図の年金保険料を見ると7221円/月となります。不思議な事に、「7221円」は厚生年金の保険料ですが、この中に国民年金の保険料まで入っているのです。

国民年金のみで、「月1万5020円」が、国民年金+厚生年金で「月7221円」となるわけで、「超おトク!」、メリット大ですね。

何故こんなにおトクになるかといえば、国民年金が収入の多少に関わらず保険料が一定であること(厚生年金は給料比例)と、厚生年金の保険料は会社が半額を負担しているというカラクリがあるからなのです。

同じ勤務時間でも勤めている会社の規模で適用されないことも?

先ほども少し触れましたが、社会保険料は会社が保険料の半額を負担することになるため、適用拡大は会社にとって大きな負担増につながります。

そのため、一定以下の会社規模(従業員数)については、適用拡大を一定期間猶予することも検討されているようです。

ただ、企業規模によって同じ勤務時間でも適用されたりされなかったりとなるのは、「不公平感」があるし、現場も混乱するのではないかと懸念します。

産業界からも、適用拡大への反対の声があり、簡単には結論は出せない問題でもあり、もう少し議論の行方を見守る必要がありそうです。

 


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