株式戦略マル秘レポート/川崎さちえの「暮らしのキラリ☆銘柄探し」

震災後注目度UP!缶詰関連銘柄

震災後の備蓄ニーズの高まりからスーパーの常連になりつつある缶詰。非常食としても、普段の食事の「もう一品」としても使うことができ、なかなか役立ちます。時間短縮という面を考えると、忙しい現代人には欠かせない存在になる可能性も。缶詰関連銘柄に注目です。

川崎 さちえ

執筆者:川崎 さちえ

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スーパーのチラシに缶詰がよく出ている

震災から1年が経とうとしているからか、スーパーのチラシに缶詰がよく出るようになりました。長期保存ができるから非常食としても役立ちますし、もちろん普段の食事の「もう一品」でも使えるので、今さらですが、なかなかの活躍振りだと思っています。

長期保存可能、リーズナブル、時間短縮、そして美味しい。なかなか使える缶詰たち。

長期保存可能、リーズナブル、時間短縮、そして美味しい。なかなか使える缶詰たち。

クックパッドを見ても、缶詰を使ったレシピがたくさんあります。ツナ、サンマ、鯖、カニ缶、トマト、コーンなど、普通にスーパーで売っている缶詰を使うのでリーズナブル。PB商品や激安店であれば100円以内で買うことができてしまうのが缶詰の魅力の1つ。そして何よりも、缶詰は火を通さなくてもいい点が、面倒くさがり屋さんが缶詰を支持する理由かと思います。たとえば、鯖の味噌煮をつくる場合には、鯖を煮なければなりません。鯖や調味料のコスト、光熱費、時間などを考えると、缶詰でもいいよねとなってしまいます。味も悪くないし、むしろ美味しい。

時短アイテムとしても手放せなくなりそう?

ちょっと前に麻婆豆腐の素など野菜と肉あるいは卵や豆腐があれば1品できてしまう「◯◯の素」が流行りましたが、結局時間の短縮が重要になってくるのだと思います。今まで1時間かかっていた夕食の準備が30分に短縮されたら、あまった30分は自分のため、家族のために使うという考え方もあります。ちなみに、レンジでチンでOKといった時間短縮系の調理器具も人気なので、「時間」に対する考え方も変わってきているのだと思います。
時間短縮と手頃な値段、おいしい、そして長期保存が効くという4つの要素を兼ね備えた缶詰は今後もお役立ち食材として注目されるのではないかと思っています。
 

生産回復の待たれる缶詰市場 

缶詰市場を調べてみると、2011年は落ち込みが見られます。特に魚を使う缶詰の場合には、震災後に生産ができなかった商品が多数あったこと、そして材料となるキハダ鮪やカツオの価格が上がってしまったからです。たとえばハゴロモでは売上が前年比1.7%減となりましたし、材料価格の高騰で営業利益は80%以上、経常利益は約59%の落ち込みとなりました。

ただ、この落ち込みをどう捉えるのかがポイントで、これだけ下がったんだから、これからは持ちなおすのでは?とも考えることができます。缶詰の魅力が見直されるようになればゆっくりとではあるけれど、回復基調になるのではないかと思っています。

株主優待も魅力の缶詰関連銘柄

さて、缶詰ってどの会社だったかな?と考えると、マルハニチロホールディングス(1334)やはごろもフーズ(2831)、アヲハタ(2830)が思い浮かびます。スーパーによく並んでいるメーカーです。あとはいなば食品の缶詰も見かけますが、こちらは非上場。ちなみに、やきとりの缶詰はホテイフーズです。こちらも非上場。

はごろもフーズには株主優待があり、1000株以上の保有で自社商品3000円分がもらえます。3月と9月が権利確定月です。アヲハタも株主優待は自社製品。1000株未満で1000円分、1000株以上で3000円分です。権利確定は10月です。マルハニチロホールディングスも1000株以上で自社製品。4種類から選ぶことができます。権利確定は3月です。

缶詰の缶を作っているのはどこかというと、ホッカンホールディングス(5902)や東洋製罐(5901)、日本製罐(5905)です。製罐の動向はというと、震災後、製品不足や夏場の電力不足に対応するために増産したのですが、その後は在庫の調整や電力総量規制などで減産となっています。特に9月は大きな落ち込みが見られました。現在は売上も営業利益、経常利益もさほど大きな動きはなく推移しています。

ホッカンホールディングスの株主優待は缶詰の詰め合わせです。1000株で2000円相当の商品がもらえます。東洋製罐、日本製罐には優待はありません。

缶詰は手頃な値段だと書いたのですが、中には高級缶詰もあります。1缶2900円の「宝うに」。プチ贅沢にはいいのかもしれません。また日光の湯葉、静岡のおでんなどのご当地缶詰もでてきており、今後も注目していきたい市場です。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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