キッチンでは種類でなく頻度で分けるという発想のポケット収納
野菜炒めを作る時、その手順と使うツールを1つずつ考えてみると、使いやすい収納の形も見えてくる。
そんな時、まな板や包丁、油や菜ばしがすぐ手元に収納してあれば、サッと出してパッと仕舞えるので、一連の動作が流れるように進みます。
でもこれらのツールが、あちこちバラバラなところにあったら、出し入れするのに、あっちへウロウロこっちへウロウロ。手間も時間も掛かって大変です。
家事ラクの基本は、移動距離を最短にして、省動作を極めるところ。そこで毎日使うモノは、全部まとめて近い位置に収納しておいたら便利なんじゃない?という発想で生まれたのが、キッチンポケット収納です。
油は油、お玉はお玉でまとめるといったように、モノの種類で分ける収納ではなく、使用頻度が高い物は一番いいところにまとめて収納するという、頻度別の収納スタイルなので、ムダな動きが減って、料理がスイスイ手早くできるようになります。
キッチンのポケット収納は一番いいところのスキマを活用
キッチンのポケット収納の特徴は、今まで一番使いやすい場所なのにもかかわらずデッドスペースになりがちだった場所を、普段使いの収納スペースとして活用したところにあります。人には自然な動作領域というものがあり、その領域内にある収納は、出し入れがしやすいのですが、そこから外れると、出し入れに手間が掛かるので、出しっ放しが増えて散らかるようになります。自然な動作領域とは、無理な姿勢をしないでラクに動ける範囲のことで、だいたい膝の高さから目の高さまでです。
一番使いやすいスペースに、ターナーやサラダ油が収納できるようになったポケット収納(LIXIL)
ところが今までのキッチンでは、この一番いいところがあまり活かされていませんでした。例えば、シンク手前の正面パネルの中や、引き出し扉の裏側は手が届きやすいにもかかわらず、デッドスペースになっていたり、微妙なスキマができていたり。
ポケット収納は、この一番いいところ、自然な動作領域+今まであまり活用できていなかったスキマを活用した、使用頻度が高いツールを収納するためのスペースです。毎日使う、まな板やお玉、油などが、その場から動かず、楽な姿勢で出し入れできるので、炊事が格段にスムーズになります。
次のページでは各キッチンメーカーのポケット収納の使い勝手を比較、それぞれ面白い特徴がありますので、リフォームの際には自分にあったスタイルを選びましょう。