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注目の若手建築家、長谷川豪の初の個展

東京乃木坂のTOTOギャラリー・間で「長谷川豪展 スタディーとリアル」が始まりました。注目の若手建築家、長谷川豪の建築世界を体感できる展示をお見逃しなく。

執筆者:川畑 博哉

先月から東京乃木坂のTOTOギャラリー・間で、若手建築家として注目されている、長谷川豪さんの初の建築展「長谷川豪展 スタディーとリアル」が始まりました。東京工業大学大学院で建築を学んだ後、西沢大良氏の元で実務を経験し、2005年に独立。大胆な空間構成を提案しながらも、住み手と建築、建築と周辺環境の関係を心地よくつなぐ空間を実現することで、高い評価を受けている長谷川豪さんの作品世界をご覧下さい。
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会期:2012年1月14日(土)~2012年3月24日(土) 
日曜・月曜・祝日休館 2月11日(土・祝)は開館
11:30~18:00(金曜日のみ19:00まで)入場無料
会場:TOTOギャラリー・間
東京都港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3階
主催:TOTOギャラリー・間
企画:TOTOギャラリー・間運営委員会
お問い合わせ:TOTOギャラリー・間  TEL.03-3402-1010

大きな展示台に散在する10の模型

3階の会場に足を踏み入れると、大きな白い展示台が待ち受けています。その上に2つの塔のような模型が置かれています。1つは今年4月に竣工予定の「日本デザインセンター」のインテリア模型、もうひとつは「五反田の住宅」の部分模型です。そして中庭を正面に見る位置に目をやると、「桜台の住宅」の小さな平面図が。この家は家の真ん中に巨大なテーブルを配置した事で話題をさらった作品ですが、この展示台はその実物大なのでした。
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1. 3階の会場風景。窓の向うの中庭に「石巻の鐘楼」が見える。
2. 展示台で巨大テーブルが原寸再現された「桜台の住宅」の図面。
3.「五反田の住宅」の螺旋階段の部分模型。
4.「日本デザインセンター」の内部模型。本棚やテーブルや椅子までも作り込まれている。


4階にも大きな展示台が据えられています。これは「狛江の住宅」の低層部の屋上庭園の実物大です。ここには、薄い屋根が特徴的な「経堂の住宅」、「駒沢の住宅」の軸組模型、デビュー作の「森のなかの住宅」、「浅草の町家」の敷地模型、「練馬のアパートメント」と高足の別荘「森のピロティ」のスタディー模型が置かれています。
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1. 4階の会場風景。
2.「経堂の住宅」の屋根詳細図と模型。
3. 展示台で屋上庭園が原寸再現された「狛江の住宅」の模型。
4.「駒沢の住宅」の軸組模型。
5.「森のなかの住宅」の模型。
6.「浅草の町家」の敷地模型。
7. 高さ6.5mものピロティがある「森のピロティ」の階段のスタディー模型。
8.「練馬のアパートメント」のスタディー模型。

中庭に鐘楼を建設

今回の長谷川豪展が、これまでのTOTOギャラリー・間の建築展と一線を画しているのは、中庭に11作目となる「石巻の鐘楼」を建設したことです。これは、東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県石巻市の「石巻栄光幼稚園」の敷地内に、鐘の音が復興への希望の象徴となればとの願いを込めて長谷川氏と有志によって「鐘楼」を寄贈するというプロジェクトです。「鐘楼」は会期終了後に分解搬送され、かの地に移築再建される予定です。鐘は、オランダのベルメーカーで保管されていた、ドイツのメレ市庁舎で80年間使われたものを現地で調達したもの。会期中の12時と3時と5時に鳴らされ、その音が乃木坂の街に響き渡ります。
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1. TOTOギャラリー・間の中庭に建つ「石巻の鐘楼」。
2. 鐘楼は直角三角形の形をした3帖の広さで、高さは8.5m。子供の身長に合わせて、階高を1.7mと低く抑えている。
3. 1日に3回鳴らされるオランダ製の鐘。
4. 鐘楼から外苑西通りと六本木を一直線に眺めることが出来る。


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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