地下鉄2路線が利用可、
江戸自体からの情緒が残る街

永代寺

深川不動産参道の右手にある永代寺。参道左手には深川公園がある

東京メトロ東西線、都営大江戸線の地下鉄2路線(場所によっては京葉線越中島駅も利用可)が乗り入れる門前仲町は17世紀後半から門前町として栄えてきた場所。元々は永代通りから深川不動尊に向かう人情深川ご利益通りの右手にある永代寺の門前に開かれた街で、旧町名は深川永代寺門前仲町。現在の永代寺は深川不動、富岡八幡宮のおまけのように小さく、目立たない存在ですが、かつては逆だったようです。

 

深川不動尊

境内には歌舞伎役者の碑などもある深川不動尊。金運アップにご利益があるそうだ

といっても、深川不動尊、富岡八幡宮がちっぽけだったという意味ではありません。深川不動尊は元禄年間に始まった成田山新勝寺の出開帳(地方の寺社の資金集めとして江戸時代に流行した、秘仏、秘宝などを公開するイベント)をきっかけに明治に入って建てられたもので、毎月28日の縁日には今でも多くの参詣者で賑わいます。

 

富岡八幡宮

松の内の取材だったため、富岡八幡宮には長蛇の列。深川七福神を巡っている人も多かった

一方の富岡八幡宮は江戸三大祭のひとつ「深川八幡祭り」で知られています。特に3年に一度、8月中旬に催される本祭りは50台余の神輿に水をかけながら練り歩く、勇壮な連合渡御は見もの。江戸情緒を伝える辰巳芸者の手小舞や鳶の若頭衆の木遣りも有名です。ちなみに辰巳芸者とはこの地の花街が江戸中心部から辰巳の方角にあったことから名付けられたもので、薄化粧で地味な色の着物に羽織をひっかけた粋なスタイルが売りだったとか。現在も永代通りの裏手に辰巳新道と呼ばれる飲食店街があるのは、その名残です。

 

骨董市

縁日を始め、毎月何度もイベントがあるため、境内はいつも賑やか

28日だけではなく、この街では1日、15日にも縁日があり、富岡八幡宮の境内でも毎月第一・第二日曜日には骨董市、15日、18日にはフリーマーケットが開かれ、さまざまな露店が並びます。これを目当てに多くの人が集まるため、この街では商店街も元気。永代通り、清澄通りを中心に老舗の和菓子屋さんから安さ、新鮮さで開店早々に満員になる居酒屋さんまで、幅広い店舗が並んでいます。チェーン店もありますが、個人商店が頑張っており、大型スーパーは清澄通り沿いにある程度です。

 

大横川

大横川にかかる黒船橋。袂には昔の火の見櫓を模した建物が建てられている

寺社以外でこの街らしい風景といえば、大横川や平久川などの水辺のある風景でしょう。特に大横川は両岸に数百mに及ぶ桜並木があり、春には見事な眺めが楽しめます。最近では水路と桜を観光に活用、舟から桜を眺めるツアーが行われ、人気を集めています。また、大横川に限らず、江東区内などにある水路は災害時に物資運搬、避難経路などとして利用されることにもなっています。

 

整然とした区画にマンション、オフィス、
公園、遊歩道なども点在

街並み

古めかしい木造一戸建て、木造アパートは意外に少ない。ところどころにデザイナーズ系のマンションも

続いて住宅街の様子を見て行きましょう。このエリアでひとつ印象的なのは区画が整備されていることです。下町と聞くと、細い、曲がりくねった路地をイメージする人もいらっしゃるでしょうが、江東区は道路基盤整備が進んでおり、地図を見ていただくと一目瞭然。碁盤の目状になっている場所が多いのです。道幅が狭い場所ももちろんありますが、災害時に道路が倒れてきた建物で閉塞する心配は少なく、その点では避難しやすい地域であるといえます。

 

希少なタワーマンション

大横川の南、古石場周辺。この辺りでは希少なタワーマンション、公共施設などがあり、近くには小規模な工場、駐車場、一戸建てなどが混在

また、古い木造住宅は意外に少なく、マンションやオフィスビルが多いのも目につくところ。通りからちょっと入ると、車の通行も少ない静かな街なのですが、住宅に混じって製本、印刷などの小さな工場、オフィスなどが点在しており、それもあって住宅と併用のビルなどが少なくないのです。

 

古石場親水公園

大横川の南側にある古石場親水公園。かつては牡丹園があったとのことで、公園内には牡丹が植えられている

永代通りと並行して流れる大横川を渡った古石場、牡丹エリアの古石場川親水公園や富岡二丁目の八幡堀遊歩道、深川不動尊脇の深川公園など、公園が多いのも歩いてみて気付くことのひとつ。川沿いの遊歩道なども含め、散策場所には事欠かない、緑の多い街なのです。


 
今回取り上げたエリアの概念図
位置概念図

東京メトロ東西線、都営大江戸線門前仲町周辺の位置関係図。概念図のため、位置、方角、距離は正確ではありません


最後に気になる門前仲町の住宅事情を見ていきましょう。