発想転換3)時には財産をすべて失うのが「株」である

株の誤解の最たるものは「株は財産をすべて失う可能性がある」でしょう。株で財産をすべて失うイメージは、確かに株式投資をためらわせるに十分です。

しかしながら、株で財産を失った人は「株が悪いのではなく、投資のやり方が悪い」ほうが圧倒的に多いとしたらどうでしょうか。実は株で財産を全て失うというのは簡単ではないからです。

上場廃止になるような企業でも、上場廃止になる最終日まで売り買いは行えます。ニュースを見て「これはダメだ」と思って手放すとしても、半分程度の損失ですむはずです。普通なら3~4割のところで手放す判断ができます。

個別の企業に自己資金のみで投資をしていて財産をすべて失うことはまずありません。2社の株を買えば一社が4割値下がりして手放しても、資産全体からすれば2割の損です。5社の株があれば、8%の損でしかありません。損をする割合は複数企業への分散投資をするだけでずいぶん下がります(株式市場全体の値下がり可能性はありますが、個別企業に比べてはるかに小さい)。

それに、そもそも財産の全てを株に注ぎ込むルールなんてないので、「資産の5割までしか株は買わない」とすれば、株式投資分が10%マイナスでも全体では5%のマイナスでしかありません。

こうやって考えてみると、「株は財産をすべてなくす」というのは「借金や信用によって、実際の資産以上に投資をした場合」であって「投資した対象がオプションやFX、信用取引のように全損の可能性がある」場合に限られてきます。もう少しいえば、これに加えて「今は株価が下がっているが、急回復が期待できる噂がある」というような銘柄に集中投資している場合などは、これに輪を掛けて損失の可能性が高まります。

だとしたら、そういう投資はそもそもやらなければ、財産を全てなくすようなことはありえません。

「株=全損の可能性」ではなく「欲望に目のくらんだ自分→リスクの高い投資方法に手を出す→全損の可能性を高める」というわけです。

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ひとつひとつ整理してみると、「株が怖い」というより、「株を知らない自分が怖い」のだということが分かってくるのではないでしょうか。確かに何も知らない状態で投資をするのには注意が必要です。

もし、今日の発想の転換で、株に対するイメージが変わってきたのであれば、投資とつきあう第一歩がそろったということです。

私は、もっと多くの人が株式運用にチャレンジしてみるべきだと思います。そして、できれば無理のないやり方で売買をしてほしいと思います。

気持ちを切り替えて、株について少し学んでみてはいかがですか?

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