【圧倒的なシェアをとる】真面目に真摯に、こだわりを持ってつくってきた 

国内シェア90%を誇るおつまみの茎わかめ(中央)。壮関は他にも定番商品を持つ。

国内シェア90%を誇るおつまみの茎わかめ(中央)。壮関は他にも定番商品を持つ。


 
おつまみの茎わかめでは弊社が国内シェア90%をとっていますが、これはもともと弊社が作ったもので、あのシャキシャキ感は弊社独自の手法だからこそできるのです。もちろん、真似されることもありますが、弊社のシャキシャキという食感とは違います。だからこそ、強いこだわりをもっています。食感を維持できないのであれば、茎わかめをつくる必要がないくらいに思っていますからね。真面目に真摯にこだわりを持ってつくってきたから、多くの支持をいただいているのだと思います。

アルミのパックを使っているのも弊社の特徴の1つです。当時のおつまみは全部中身が見えるようなパッケージで、全然売れませんでした。理由は簡単で、海藻は見た目があまり美味しそうではないからです。「これ、大丈夫なの?」と思われていましたからね。そのときは売り上げも落ちて、これ以上落ちないだろうというところまで来ていました。だったらアルミに変えてみようと思ってやってみたら、一気に売れ出しました。アルミにした方が新鮮さが強調できたのです。この時は直感でしたね。

【決断に迷ったとき】自分の信念を貫く 

栃木県矢板市にある壮関の本社。敷地内には工場もある。

栃木県矢板市にある壮関の本社。敷地内には工場もある。

これまで一番決断に迷ったのは、本社の建設のときです。金額も大きかったですからね。当時の年商は10億弱。でも本社と工場で12億円かかりました。年商以上のお金を借りるわけですから、倒産する可能性も考えました。それでも本社を建てようと思った理由の1つは、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)がとれるからです。HACCPは元々、宇宙食の安全性を確保するためにNASAが考えた食品の衛生管理の手法です。非加熱の海藻素材でHACCPを取得しているのは弊社だけです。

HACCPをとろうと思った当初は、10人中10人に反対されました。基準があまりにも厳しいので、とるのは不可能だと。もしとったとしても、維持するためにもコストと時間がかかります。ちなみに、毎日A4サイズで380枚のレポートが出てくるのですよ。このレポートをつくるためには時間もかかり、当然人件費もかかります。それに加えて建物で12億円かかる。でも、それでも私はHACCPをとりたかったんです。

なぜとろうと思ったのかというと、理不尽なクレームがあったからです。梅味の茎わかめを食べた方から、これは梅味ではないと言われました。そこで反論できればよかったのですが、間違っていないという記録がなかったのです。それで莫大な広告費を使って回収をしました。そういうことがあったから会社を守るためにとろうと思いました。

今では、HACCPをとって本当によかったと思います。なぜならば、HACCPがものすごい強みになっているからです。ここまで厳しい安全性の基準をクリアしている海藻素材の工場は弊社だけですからね。だから、自分の信念を貫くことは時間がたったときにきっと何らかの形になって返ってくると思います。

【商品をヒットさせる】長い期間売れ続けるロングセラーをつくる

昔は新商品を30つくったら6ヒットする、つまり20%の確率でしたが、今はもっと高確率でヒットしています。それは、これまでのデータを駆使して商品をつくるからです。全く新しい商品を出すのは年に1回か2回で、あとの新商品はこれまであった商品に価値を加えてつくっています。たとえば、種を抜いた干し梅は、20%塩分を落として発売しました。売れているものにより売れる要素を加えてつくるから、はずすことはあまりありません。

私が考えるヒットというのは、長い期間売れ続けるロングセラーです。夏にドカンと売れるとか、冬に一気に売れるという商品ではなくて、1年を通して安定的に売れる商品なのです。これを実現させるためには、体に良くて、おいしい、そして適正価格。この3つがそろえばいいと私は考えています。逆に、このどれかが欠けるから売れないのだと思いますね。