日本経済を元気にするトップインタビューシリーズ。ガイドが独自の視点で選んだ、新しいことに果敢にチャレンジし続けている企業のトップを紹介していきます。

今回のトップは株式会社壮関の関雅樹社長です。壮関は、おつまみの茎ワカメで国内シェア90%という、驚異的な数字をたたき出す会社。圧倒的なシェアをとるためにはどうすればいいのか。会社のトップとして何を考えてここまで来たのか、どんな決断をしてきたのかをお聞きしました。

【ビジネスに対する感覚】事業って怖いなと思う反面、おもしろいなとも思ったんです

株式会社壮関の関雅樹社長。

株式会社壮関の関雅樹社長。

私が小学校のとき、父親の商売がうまくいっていて、すごく羽振りがよかったのです。でも中学生になると一転しました。ビジネスが傾いたのですね。そのときは、もしかしたら自分は高校に進学できないのではないかと思いました。だから、早く自立したいという気持ちがありましたし、何よりもハングリーでした。私の中にはやっぱり父親の姿があって、事業って怖いなと思う反面、羽振りの良さを思い出すとおもしろいなとも思っていたのです。

高校を卒業してからは着物の営業の仕事に就きました。すぐに大きな展示会でデビューすることになりましたが、売上を上げようとか、お客様に買ってもらおうという余計なことは考えなくて、この人のためにという気持ちで接客をしました。そうしたら、その展示会でいきなり200万近い売上を上げてしまって。それからずっと売上を伸ばしていったのでチームを任されるようになりました。でも、実際チームをまとめるのは難しかったですね。売上が計画通りに進まないとリーダーは焦り、それは部下に伝わってしまうのです。これはどんなビジネスでも同じですが、トップは常に冷静であるべきです。そうしないと、チーム全体が焦ってしまって目標達成もできないし、仕事がうまくいかなくなります。

【20代で実践的に学んだこと】信頼を得ること、明確な理由を述べること、ジョイント役をつくること

展示会で着物を売るのはいいのですが、生産が間に合わずキャンセルが続出するという事態に陥っていました。月に4億円程度のキャンセルがあったのです。それをどうにか立て直すために、管理部に異動になりました。
実は、ここでの経験が今の経営にすごく活きているのですよ。当時、管理部の従業員は全く上司を信頼していませんでした。仕事が間に合わないからオーバーワーク、残業手当もない。気持ちもバラバラです。そんな中で、いったい誰がやる気を出せるのか。だから私はここで働いている人の精神面のケアをしないといけないなと思いました。一人ひとりの仕事や役割を聞いて問題点を把握して1つずつ解決しました。時間はかかりましたよ。でも、それをやったからこそ信頼が生まれたのです。

上司への連絡の仕方もこのときに学びました。商品管理部は人が足りなくて、本社からの人員が必要でした。だから私は「3人入れてください」と具体的な数字を伝えたのです。なぜ足りないのか、なぜこの人数なのか。そういった明確な理由があれば話は早いのです。みんな「人が足りない、人が足りない」と言いますが、これでは伝わりません。具体的な数字が必要です。
もう1つ。上司と部下の間に入る「ジョイント」の部分になったことは大きかったですね。上司と部下、それぞれの考えを理解してマネジメントできたことは、すごく勉強になりました。弊社にもジョイントになっている人はたくさんいます。だから、会社がうまくいっているのだと思います。そのくらいジョイント役は重要なのです。