日本の国家予算を家計に例えると?
来春から消費税を増税するのかしないのか。今、いつから増税するのかを最終検討しています。しかし、日本のお財布事情を見れば、深刻な状態ということがわかるのではないでしょうか?財務省のホームページでは、日本の財政事情を身近な家計に置き換えて解説しています。92兆円といわれると大きすぎてピンと来ませんが、家計に例えてみると、どんな状態かイメージしやすくなります。
平成25年度の国家予算を家計の収支に例えてみる
平成25年度の国家支出は、92兆6115億円。これを100万分の1のサイズに直して、1年間の生活に926万1150円使っている家計に例えてみましょう。これだけ使っている家庭(日本)はなかなかの高給取りかと思いきや、実はそうではありません。お給料(税金)として稼いでいるのは431万円、そのほか雑収入41万円を合わせても、本当の収入といえるのは472万円です。残りの454万円(公債金)は、新しく借金をして何とか生活を成り立たせています。
もしも身近に、年収472万円にもかかわらず、年収なみの借金を毎年新たに借りて生活をしている会社員がいたらあなたはどう思いますか?
「危なっかしくて見ていられない」
「自転車操業もそのうち成り立たなくなる」
「お金を貸してといわれても、絶対に貸すのはやめよう」
そんな風に思うのではないでしょうか?
平成23年度の予算では、税収等が53.2%、公債金収入が46.4%でした。平成25年度の予算では、税収等が50.9%、公債金収入が49.1%。じわじわと公債金(借金)に頼る割合が増加しています。
いったい何に使っているの?
では、そんなに借金をしてまで、何にお金を使っているのでしょうか?支出の内訳を見てみると、このようになります。1. 社会保障費 29兆1224億円(全体の31.4%)
2. 国債費 22兆2415億円(全体の24.0%)
3. 地方交付税交付金 16兆3927億円(全体の17.7%)
4. 文教及び科学振興 5兆3687億円(全体の5.8%)
5. 公共事業 5兆2853億円(全体の5.7%)
6. 防衛 4兆7538億円(全体の5.1%)
7. その他 9兆4472億円(全体の10.2%)
これを家計に例えるなら、こうなります。
1. 生活費 291万円(全体の31.4%)
2. 住宅ローンの返済 222万円(全体の24.0%)
3. 田舎への仕送り 163万円(全体の17.7%)
4. 教育費 53万円(全体の5.8%)
5. 管理費 52万円(全体の5.7%)
6. 安全対策 47万円(全体の5.1%
7. 臨時支出 94万円(全体の10.2%)
田舎の両親に仕送りをしながら、都会にマンションを購入したサラリーマン家庭。教育費がかさむなか、住宅ローンの返済が重くのしかかり、毎日とても質素でつつましやかに暮らしているのに、自転車操業で借金ばかりが増えていきます。
「住宅ローンを抱えずに地元で暮らしていたら、住宅ローンを抱えることも、マンションの管理費やセキュリティ対策にお金をかけることもなく、おいしい食事や豊かな老後にたっぷりお金をつかえるはずなのに」
先が見えない不安を抱えている、頑張っているのに報われないリアルな家庭像が浮かんできます。
そんな家庭(国家予算)を見直すにはどうしたらいい?
1つ目は支出を減らすことです。家計だったら、保険の見直しにあたるのでしょうか。日本政府では、来春から高齢者の社会保障の自己負担を増す案が次々に出ていますが、そうしたことも社会保障支出を減らすために検討された対策です。2つ目は収入を増やすことです。家計だったら、妻が再就職をする、夫が副業をするといったところでしょうか。今の日本でいうならば、消費税の増税もそのための対策のひとつです。景気をよくして、所得税や法人税収入を増やすのも収入アップにつながります。
低金利の今でも返済負担がこんなに重くて大変ですが、国債の金利が上がってきたら、借金の返済負担はますます重くなります。そうなる前に、新たな借金を増やさない世の中にしなければいけませんね。