福竹のぶた天とぶたそば
東京・大田区の蓮沼の地に、大阪人が食べても絶句するであろうお好み焼きの名店があります。それがこの「福竹」です。都心からは離れていますが、わざわざ足を運ぶ価値のあるお店。粉を最小限に抑え、表面カリッ、中ふわっふわに仕上げられたここのお好み焼き(特に“ぶた天”)こそ、「日本一」と呼ぶにふさわしい逸品です。……が、「福竹」の魅力はそれだけにあらず! お好み焼きをも凌ぐ珠玉の逸品があることを忘れてはなりません。豚肉、もやし、キャベツ、紅しょうが入りの“ぶたそば”です。まず最初に、ラードで豚肉をじっくりと炒めるのですが、この時に鼻孔へ駆け込んでくる芳醇な香りときたらもう! 食べる前から気分が高揚してしまいます。そしてここからがポイント。麺と野菜を同時に投入し、水やスープは一切使いません。野菜の持つ水分(エキス)だけを使って仕上げているのです。それによって、いい意味での濃さ、味わい深さが演出されるだけでなく、より一層麺と具の一体感も強まります。まさに、この一品の最大の決め手ですね。
かといって、おかみさんの鮮やかな手つきに見とれているだけではダメ。私たち食べ手は、嗅覚を集中させ、野菜の青臭さが抜ける瞬間を見極めます。なぜなら、それが炒め完了を示す合図だからです。その後、遠心力を使ってソースをまわしかけ、スナップを利かせて青海苔をパラパラッ。そうやって完成した“ぶたそば”こそ、豚肉の甘み、香りが活きた、この世に2つとない「凄そば」!
■福竹(蓮沼) ~お好み焼き~
住所:東京都大田区東矢口1丁目17−11
TEL:03-3739-4064
アクセス:東急池上線「蓮沼」駅より徒歩約2分
地図:Yahoo!地図情報